真影は、伊來に向けてランクルを走らせていた。
学長の語った話を何度も噛み締めながら。
高速を制限速度ぎりぎりで走らせる。
真影の心は、千切れた木の葉が風に舞い狂う様だった。

東亜大学・学長はこう語った-。

『バハラード以外の世界が存在するのは、知っているわね。
それらの世界を異界(いかい)というのもね。
異界の一つに地球という世界があってね。
そこはとても人界に似ている世界だから、例えとして使うわね。
地球には、全ての生命に寿命があるの。
寿命は人界では空世へ行く時期を指すのだけど、地球は違う。
寿命、もしくは事故等で人体を維持出来なくなると、全て滅びてしまうのよ。
それを地球の人々は、
¨死¨と呼んでいるわ。
人界では、空世へ行くと言うでしょ。
でも、暫くしたら又人界へ戻って来られるじゃない。
しかし、地球では¨死者¨は永久に帰って来ないのよ。
バハラードにも、虚無界という¨別界(べっかい)¨があってね。
そこはまさに地球の死に当てはまる世界なの。
人界神が闇蓬来に敗れたらそこへ行く―神々は空世へは行けないのよ。
例え、生身である人界から生まれた人界神でもね。』