防御の件が解決して、落ち着きを取り戻した真影は学長から得た情報について幾つか早奈谷に問い質した。

「神界には、三界の礼の他に
¨全界の礼¨
というのがあるそうだな。
それはどういう礼なんだ?」

「それは―一種の封じ手といえます。
我々はその礼の形を知っておりますが、まず用いる事はありません。
またその礼の形は神々各々に違う形をしているものなのです。」

「ふーん、そうなのか。
でも何故その礼は封じ手とされているんだ?」

「その礼は、神同士では用いられないからです。
神同士で行うのは厳禁されています。」

「じゃあ、誰に対して行うんだ?」

「それが、この礼が封じ手と言われる由縁です。
神が人や万物に対して、心底の感謝の念を表す場合にのみ用いる礼とされています。
しかし、失礼ながら神が人や物に対してそこ迄の礼を尽くす事態はあり得ないからなのです。」

「ほ~。そうなの。」

真影は内心、
(俺だって神々の協力者なんだから、いつかその全界の礼とやらをしてもらえる日が来るかもな。)

と、のほほんと考えていた。
―つづく。
この物語はフィクションです。