「な、何だと。」

真影は慌てて口を押さえた。

「もう遅いぜ。
オッサン、俺の術が入ったスーラは旨かったかい?」

「檪、てめえーっ!」

胸ぐらを掴んで一発かまそうとしたが、スルリと逃げられてしまった。

「蛇の性の俺を捕まえようたって無理だよ。
オッサン、でもこれで安心だ。
オッサンの防御力は完璧さ。」

「どういう意味だ?」

「俺が支配している蛇の防御力を直接吸収したって事さ。

今食べたスーラに俺が仕込んでおいたんだ。
オッサンはこれで人界では闇蓬来の攻撃から守られる。
うっらやましいぜ。
オッサンは戦う訳じゃないから、完全防御の術がかけられるのさ。」

「早奈谷、これでオッサンが辞める理由が無くなったな。」

早奈谷は、真影に頭を下げて詫びた。

「申し訳ありません。
私の監督不行き届きでした。
真影さんに断りもせず、術をかけてしまいました。」

口ではすまなそうに言っているが、なんか嘘っぽい。
こいつ、絶対に檪の策略を承知してやがったな。

「やーい、引っ掛かってやがんの!」

調子に乗って檪ははやし立てる。

「まあ、結果が良いならそれでいいさ。」

真影は半ばやけくそ気味に答えた。
―つづく。