ダイニングのテーブルには、スーラという人界独自の麺料理が置かれていた。

やや太めの麺の中に味付けした具が入っていて薬味をかけて熱々をすする。主に軽食や夜食に重宝されている真影の大好物だ。

元々、このヴィラにはキッチンが無かった。
早奈谷が真影と檪のリクエストした物をまさに理想の状態で具現化してくれるからだ。
檪にもその能力はあるが、早奈谷の方が遥かに優れた物を作り出せるので、今まで檪が料理や食べ物を作り出した事は無かった。

今回は2人が深刻な話し合いをしているので、檪なりに気を利かせたのだろう。
(今は、食事どころではないのに。)
真影はそう思ったが、目の前のスーラはとても旨そうだった。

「我ながら、上出来だ。
いっただきまーす。」

檪は箸を取るとフーフーと吹き冷ましながら、スーラを食べ始めた。

「…。」

つられて真影も箸を取った。

スーラは熱くて、中の具も好みの味付けでなかなかの物だった。
早奈谷も旨そうに食べていた。
真影が食べ終わると、
檪は突然、けたたましく笑い出した。

「くーちゃった。
食っちゃった。オッサン、蛇(じゃ)の気を食っちゃったーっ。」