¨待たれよ、
ここは市井である。
無辜(むこ)の民を戦いに巻き込む訳にはいかぬ!
我が創りし結界内で闘われよ!¨

早奈谷は長に申し出た。

¨ほう、人界内に自ら結界を張るか。
さすがだ。
我が一の部下が恐れをなしただけの事はある。
…判った。
その様に取り図られよ。¨

¨…てめえ、早奈谷の力量を推し測る為に、わざと俺を煽りやがったな!¨

檪の念は怒りで震えた。

¨最高神、感情に左右されましたら、その時点で敗北は必至であります!
どうか、お心を鎮まれますように。¨

¨…。¨

檪は、忌々しげに長を睨んだ。
¨判った―。
オッサンを頼んだぞ。¨

早奈谷は黙って頷く。

長は、そんな2人のやり取りを目を細めて見つめていた。

真影を地上に降ろすと、再び上空へと駆け昇り、早奈谷は空中で印を結んだ。

忽ち、4人は早奈谷の創り出した結界へと入り込んだ。

紅蓮の炎が渦巻く、活火山周辺の如き空間で2人は力の限り闘った。

しかしながら、全くの互角―。
地と火を司る長の力は、檪の能力に勝る部分もあったが、檪には蛇の性を基調とする鉄壁の防御術があった。