「あ・ま・い・わね。
お兄さん、甘い、甘い。
砂糖菓子より甘いわよ。
誰が直接の御加護や御利益が得られないものに入れあげるっていうの?」
女学長は、大げさに人差し指を振った。
「今や人は、空世にのみ救いを求めている。
次の世に良い地位を得る為に徳を積むか、今さえ良ければそれで良いとばかりに刹那的に生きるか―どちらにしてももう空世に対しての思いしかないのが現状よ。
¨根¨という空世での記録コードに振り回されているのよね。
元々、どんなに徳を積んだって人は神にはなれないんだし。
大それた園所(人界での神社仏閣)はあるけど、人は本音では空世とうまく繋がっていく事のみに心を砕いているのが現実ね。」
(この人、神界学の権威だというのに随分とさっぱり諦めているんだな。)

だが、まさに現在の人界は神界への信仰を失っている―それは、厳然たる事実だった。

―つづく。
この物語はフィクションです。