「でも、あれのせいで神界が混沌に還らなかったら、人界も空世も出来なかったんだから何ともね―。
神界について研究する身としては何とも複雑な思いだわ。」
(やはり、この人も檪が俺に話した¨真相¨については触れないのか?
知らないのか、あるいは何らかの事情であえて伏せているのだろうか?
檪の説明だけではよく判らないから、訊きたい所なんだが。
変な訊ね方をしたら、この人口をつぐんでしまうかも知れない。)
真影が迷っていると、彼女は話題を変えてきた。
「ま、ま、バハラードと神界についてはちょっとおいといてね、人界と空世についても話さなければね。」

秘書を呼んで茶のお代わりを持って来させると今度はゆっくり飲み、再び機関銃の如くしゃべりだした。

「人界も空世も神界の鋳型を残しておきたいという神々の意志によって創造されたんだけどさ―。
いかんせん、人界にとっては空世しか直接的な繋がりがない訳じゃん。
神界への信仰なんてもう建前でしかなくなっているのが現実ね。」

「しかし、創造主に対する畏敬の念や感謝の思いが人界から完全に失われるとは思えないのですが。」