まあ、もう諦めたわ。
今更、遅いのよ!
オーッと、話が脱線してしまったわ。
ごめんなさい。」学長は、先程秘書が出してくれた冷めた茶を一気に飲み干すと、話し続けた。
「じゃあ、まずバハラードの全体像について説明するわね。
我々が生きている世界―この世界全体をバハラードというのは知っているわね。
この世界は三界という神界―
空世―人界が基本である事も。
それは、人界に生きる者にとって常識よね。
でも、厳密にいえばそうじゃないの。
三界の他にこのバハラードには、別界(べっかい)という異空間が数多(あまた)に存在しているのよ。
時々、忽然と行方不明になる人がいるでしょう。その中には、勿論意図的に姿を眩ましたり、事故や事件に巻き込まれた場合もあるでしょうけど、別界に入り込んでしまった例も数多くあるわ。
この異空間も含めてこの世界全体をバハラードと呼んでいるのよ。」

「はい、それは存じ上げております。」
真影は、高校時代に神界学の授業を受けた最後の世代だった。
その当時から既に神界学は廃れており、教諭も全くおざなりにしか教えてくれなかった。
―つづく。
この物語はフィクションです。