¨気¨の闇蓬来が立ち去り、ヴィラは静寂を取り戻した。
全ての闘いは結界内で行われたから、人の目に触れる事はなかった。

早奈谷は、重根に協力の礼を言った。
そして今後彼が闇蓬来に利用されない様に記憶結界を張らせていただくと通告した。
それは、早奈谷と檪の記憶を全て失う代わりに闇蓬来からの攻撃を受けずに済む結界だった。
早奈谷が全ての関係者及び人界の人々に記憶操作としてかけていたのはこの術だったのである。
重根には確かにきいていなかったのだ。
だからこそ闇蓬来に利用されかけたのである。
その術を改めてかけられる事に重根は素直に同意した。

「そうですね。
その方がお互いの為でしょう。
…その前に言わせて下さい。
先日の西羅での落雷の際には助けていただいたのに、気が動転して満足にお礼も申し上げられませんでした。
その節は本当にありがとうございました。」

重根は、早奈谷に向かって深々と頭を下げた。