このヴィラには魔除けの結界が張ってあり、真影はあらかじめ出入り自由な術を早奈谷によって掛けられていた。
だが、今回はとんだお荷物付きだったので、真影と重根がヴィラに入るのに数分を要した。
結界解除の間、2人は異空間にその身を置いていた。
3人は暫くの間、このおじさんの様子を見守っていた。
やがて、重根は口を開いた。
まだ意識は戻っていないのに、凄まじい勢いで叫んだ。
「檪~っ。」
いきなり名前を呼ばれて檪はたじろいだ。
「檪~。
戻って来いや~!
この重根大悟、
全身全霊をかけてお前を人界一の大スターにするつもりだったのに、何処へ行きくさった~!」
「先生…。」
檪は切なげに呟いた。
檪は重根を敬愛を込めて、そう呼んでいる。