あの数日間のゴタゴタでそこの所が曖昧になっているのが真影にはいささか不満だった。
だが、こうした状況になってもう不眠症そのものが吹っ飛んでしまった。
あの夢の内容が一連の出来事と結び付かないのもあって、早奈谷も東亜での降臨については全く口にしなくなっていた。
(ま、しゃーねえか。
もう俺自身、後戻りが出来ない訳だし。)
芸能リポーターという職業にさほどの未練はなかった。
元々俳優志望だった彼は、どうしても売れず半ば食いつめて選んだ仕事だった。
仕事の関係者や知人、友人には親戚の富豪にこのヴィラの管理を依頼されたのでリポーターは辞めたと知らせてある。
実は、両親も既に空世に渡り、人界では天涯孤独の身の上なのだが、嘘も方便という事だ。
結構なご身分だとやっかむ輩もいたが、笑って聞き流した。
何はともあれ、今の真影はこのリゾート地で恵まれた陽光を心ゆくまで享受していた。

だが、神々の宿敵闇蓬来の魔手は確実に迫りつつあった。
―つづく。
この物語はフィクションです。