真影は彼を少し憐れに思ったが、それより人界と空世の誕生が神々とその天敵との戦いゆえのものだという事実に打ちのめされた。
このままずっとここにいると、果てしもなく落ち込んでしまう気がした。
「ちょっと、早奈谷の所へ行って来る。」
真影がそう告げると、檪は了解という意味らしく右手を上げた。
真影はリビングの奥にある早奈谷の部屋のドアを叩いた。
「どうぞ。」
落ち着いた後輩の声が響いた。
「さっきは言わなかったけど、助けてくれてありがとう。
迷惑かけてすまなかった。」
真影は、改めて礼と謝罪をした。
「いえ、真影さんは最高神に連れて行かれただけでしたのに、私の方こそ感情的になって申し訳ありませんでした。」
そう穏やかに答える早奈谷はいつもの彼だった。
早奈谷は、いきなり空中から並々と茶の入ったティーカップを出現させ、真影に勧めた。
もうそんな芸当を見せられても、真影はいちいち驚かなかった。
ひとしきり、その極上の茶を楽しんでいると、早奈谷が話しかけてきた。
「ところで、これからの真影さんのお仕事についてなのですが。」