檪は憑かれたように話し続けた。
「どこをどう説得したのかは知らねーが、闇蓬来の奴等もその提案を受け入れて人界での戦いが始まった。
おめえら人が能天気に生きているこの人界で陰ながら奴等と降臨した俺達の戦いが繰り広げられているのさ。」(なんですとーっ。
そんな話、神界学では全くしなかったぞ。)
真影が絶句していると、檪は突然愚痴り始めた。
「―ったく、ひっでえ話だよな。
いきなり降臨させられる身にもなってみろってんだ。」
「おい、あんたとりあえず神様なんだろう?
いいんですかい?
そんな神界を批判して―。」
「いいも、悪いもないよ。
俺、人だもん。
さっき、あいつが言ってただろ。
俺らは型代だって。」
「カタシロ?
そもそも、それがよく判らないんですけど。」
「この体の事だよ。
降臨だなんてかっこつけてるけど、俺らはただ神に体を貸しているだけなんだ。怪我してよく判ったよ。
俺自身が神になった訳じゃないんだ。」
「檪―。」
「俺は、ヤドカリの貝殻みたいな存在なんだな。」
「いや、それはちょっと違うと思うぞ。」
だが、檪はそれきり黙りこくってしまった。
―つづく。