―で、何か用か?神さん。―

―ちょっと付き合ってもらいたい場所がある。
バーカな糞ガキとはご一緒したくはないだろうがな。―

(根に持ってるよ。
俺が最後に言った言葉、しっかり覚えているよ。)
どうせ、この思いも読まれていると感じながら、真影は神様と交信を続けた。
檪と待ち合わせをしたのは、街外れの廃ビルの前だった。
既に夜半過ぎ―。
檪は、白いスーツを着こなしてワイシャツはメタリックブルー色という派手な出で立ちだった。
ゾクッとする程決まっていた。
「3日振りだな、オッサン。」
まだ、少年っぽくしなやかな豹を思わせるこの若手俳優は、
「派手な格好をしているのは、ロケが終わってからすぐ来たからさ。」
と訊かれててもいないのに、言い訳をした。

「今から、ここでレアンの裏取引がある。」
レアンとは、人界の麻薬の一種である。
非常に高価な値で取引されるその筋の重要な資金源だ。
「その取引を今からぶっ潰す!」「お、おい。お前さん、いくら俳優だからって現実とドラマをごっちゃにしてないか?」
―つづく。