「つまり、我々は空世より人界に遣わされた神なのです。」ベッドには、散々荒れ狂っていた若者が安らかな寝息を立てていた。
「現在の神界が混沌の世界に還っているのはご存知でしょう。
神々も神界と一体化して、混沌の中にあり個々の存在を失っています。」

「はあ、左様でございますか。」
片手に焼酎のオンザロックを持って、ちびりちびりやりながら、真影は早奈谷の説明に耳を傾けていた。
「しかし、一部の神々は最初から空世にあって、混沌を免れました。その空世にある神々は、ある使命を果たす為に人界に人として誕生します。そして、成長後に神界からの命により神の力を得るのです。
これを¨降臨¨と呼んでいます。
我々には、その降臨の時期が来たのです。」
「…。」
真影はここに来る前の出来事を思い浮かべた。荘厳園近くの草原ー。

早奈谷は、痛ましげに僧侶の亡骸を見つめていた。
人界でも、死体らしきものは残るのである。
「行っちまった者は、しよーがねえじゃんかよ。」
相変わらず、神とは思えぬ口調で檪は言った。