「いちいち、煩わしい奴等だな。
まとめて面倒見てやろうか!」
「最高神様!」
悲鳴にも似た早奈谷の叫びが響いた。
その時、瀕死の大蛇が最後の力を振り絞って再び、空へ飛んだ。そして、雷を操り始めた。
夜空全体に雷鳴が鳴り響いた。
不意をつかれて、若者は反射的に怯んだ。
真影は自分でも驚く素早さで、若者の背後に回り羽交い締めにした。
意外な攻撃に若者は驚き、すぐには抵抗しなかった。
「何しやがんだ!
離しやがれ!」
「どう、どう、どう。
とにかく、落ち着け。
お前、興奮しすぎたぞ。」
「俺は馬じゃねえ!
何がどうどうだ。」
「じゃあ、もう降参、降参。
お宅様が強いのはよく判りました。だから、もうー。」
真影がそう言いかけた時、へたりこんでいた僧侶が最後のチャンスとばかりに脱兎の如く走り出した。
「危ない!
およしなさい。」あわてて早奈谷が制したが、遅かった。
一条の雷が正に一発で僧侶を貫いた。
忽ち黒焦げになって、草むらに倒れこんだ。
「…。」
3人は呆然としてその姿を眺めた。
背後に冷たい視線を感じた若者はあわてて首を振った。
「俺じゃない、今のは俺じゃないぞ。」