「あれから、全然連絡が取れなくなって僕があんな言い方をしたから早奈谷さんが気を悪くされただろうとずっと謝ろうと思っていたんです。
でも、仕事とか忙しくて本当にどうしようかと…。」
檪はうまく話せない自分に苛立っていた。
言いたい事は判っている。ただその思いを告げても、この人は決して応えてはくれないだろう。
檪にはそれが堪らなく切なかった。
「すいません。ただ、ちゃんとお別れが言いたかった。それだけです。もう会いません。
でも最後にこれだけは謝りたくて…。
青葉山のロケで雷落としたの、多分俺です。
昔から感情が昂ると俺の周辺で雷が落ちました。
暫く落ち着いていたと思っていたけど、あの時重根さんが貴方に失礼な言い方をしたからー。あの人、大恩人だけどひどいって思ったらいきなりあんなになってしまった。
危険な目に合わせてすいませんでした。」
檪は、一礼すると駐車場から出て行った。
「檪ー。」
早奈谷は、その姿が消えてからその名を呼んだ。
自分を偽れば良かったのか。
友として或いは弟の様に接すれば、ずっと付き合えたかも知れない。
だが、出来なかった。
そして、真の思いのままに交流する勇気もなかった。