早奈谷は、今年28歳。
檪は20歳になったばかり。
主演俳優の格からすれば、当然早奈谷高樹のロケ隊が優先されるべきだったが。
檪側のプロデューサーは、この世界で右に出る者はないという辣腕の重根大悟(かさねだいご)だった。
結局、今回は監督も兼ねていた彼が元々先に撮影許可を取り付けていた早奈谷側のロケ隊を強引に退かせた。「ごめん、さなっちゃん、朝いちで来てもらったのに奴等が先に撮る事になってしまった。」ドラマの監督がすまなそうに詫びて来た。
「僕はかまいませんが、他の出演者やスタッフが大変な思いをするのは―。」演技以外では口数も少なく、常に穏やかな対応をする早奈谷の口調にもさすがに抗議めいたものがあった。
早奈谷の思いとは関係なく、重根達はどんどんロケの準備を進めて行った。
早奈谷は重根組の撮影を複雑な思いで見つめた。
その中に檪哲也の姿を見いだした。
(彼が、人気絶頂の檪哲也かー。)
実際に見るのは初めてだった。
だが、何故か初めてではない気がした。
懐かしいという気持ちとは違う。
だが、その姿を見ただけで何故、こんなにも心が揺さぶられるー妙な気持ちだった。
つづくー。
檪は20歳になったばかり。
主演俳優の格からすれば、当然早奈谷高樹のロケ隊が優先されるべきだったが。
檪側のプロデューサーは、この世界で右に出る者はないという辣腕の重根大悟(かさねだいご)だった。
結局、今回は監督も兼ねていた彼が元々先に撮影許可を取り付けていた早奈谷側のロケ隊を強引に退かせた。「ごめん、さなっちゃん、朝いちで来てもらったのに奴等が先に撮る事になってしまった。」ドラマの監督がすまなそうに詫びて来た。
「僕はかまいませんが、他の出演者やスタッフが大変な思いをするのは―。」演技以外では口数も少なく、常に穏やかな対応をする早奈谷の口調にもさすがに抗議めいたものがあった。
早奈谷の思いとは関係なく、重根達はどんどんロケの準備を進めて行った。
早奈谷は重根組の撮影を複雑な思いで見つめた。
その中に檪哲也の姿を見いだした。
(彼が、人気絶頂の檪哲也かー。)
実際に見るのは初めてだった。
だが、何故か初めてではない気がした。
懐かしいという気持ちとは違う。
だが、その姿を見ただけで何故、こんなにも心が揺さぶられるー妙な気持ちだった。
つづくー。