■210年7月9日付け
(道スポ)
「入院している信二の分まで頑張りました!」。8回無失点で今季6勝目を挙げた武田勝は、お立ち台で古女房に向けて、何度も何度もメッセージを送った。「(試合を)見てはいないと思いますけど、あれだけかぶせればニュースでも流れるでしょうから」。同学年でプロ入り当初、よくバッテリーを組んだ高橋は、頭部に死球を受けた影響で7日から入院している。「頑張るから」という携帯メールに込めた思いを、マウンドで存分に発散した。
タカ料理はお手のもの。今季このカードでは3勝無敗、防御率は驚異の0.31を誇る。6月22日はプロ初完封を記録した記憶と自信が、左腕には宿っていた。一回、川崎と本多の連打で無死一、二塁のピンチを背負ったが、オーティズを中飛、多村とペタジーにを連続三振に切り捨て無失点でしのいだ。ペタジーニとは六回にも一死一、三塁のピンチで対戦したが二ゴロ併殺に打ち取った。外角へ逃げるスライダーを使って完ぺきに封じたのは、前回対戦での゛観察記録″を有効活用した結果だ。
10日で32歳となる。決して体力勝負のプレイスタイルではないが、考え方は徐々に変化してきた。特に、ここ3年は先発に固定され、登板の間に5日、6日と時間を持てるようになった。試合や他人の動きを見る機会が増え、観察眼が磨かれた。「人をよく観察しろとは野村監督もよく言っていたんですが、やっと分かってきた感じです。
考えながら見ないと、結局何も分からないんですよ。僕は25歳ぐらいで自分のフォームができて、今度はやっと人を見るようになった。成長の段階が遅れて来ているんです」。今から球速は上がらなくても、まだ進歩はできる部分はあると言いたげだ。
首脳陣は武田勝について、相手打線との相性を重視したローテーションを組んでいる。6月22日のソフトバンク戦の後は中9日あけて2日の楽天戦、そして今回は中5日でソフトバンクにぶつけた。今後は中7日で16日の楽天戦(Kスタ宮城)に先発する可能性が高い。V争いに顔を出すまでは、勝てると見込まれた試合を落とさないことが任務だ。「こういう投球の組み立てを、ほかのチームにもできるようにしたい」。マイペースで淡々とこなす仕事が、ファイターズの急浮上を支える。
(羽鳥慶太)
ttp://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/headlines/20100708-00000035-spnavi-base.html
北海道日本ハムは8日、福岡ソフトバンク戦に7対0と快勝し、東京ドームでの3連戦を勝ち越した。初回に小谷野栄一のタイムリー、糸井嘉男の2ランで先制すると、5回にも森本稀哲、稲葉篤紀の連続本塁打で4点を加え突き放した。
投げては先発の武田勝が8回を無失点に抑える好投で6勝目。自らの誕生日(7月10日)の前祝いをすると同時に「信二(高橋)のためにも頑張りました。ウイニングボールを持って行きたいと思います」と、死球を受け入院中の高橋に勝利を捧げた。
この日の勝利で3位の福岡ソフトバンクに1.5ゲーム差まで迫ったが、梨田昌孝監督は「そんなことは言ってられない」とぴしゃり。「流れが悪くなると連敗もする」と、快勝にも気を引き締めていた。
■2010年8月16日付
ttp://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20100816-666499.html
日本ハム武田勝投手(32)が、珍ハプニングにもめげず2年連続2ケタ勝利に到達した。お得意様のソフトバンク打線より、肝を冷やしたのは8回1死。突如、「ミン!」という鳴き声が鼓膜に届く。右肩付近を見ると、セミが羽を休めていたという。虫が大の苦手で、しかも打者は5回に先制2ランを献上した長谷川。絶体絶命だった。
持ち前の冷静さ、大胆さで難局に対処した。武田勝によると「ミン!」と鳴き返し、左手ではらいのけたという。「屋外なら分かるけれど、福岡ドームでセミはなしでしょ」。マウンド上に生きたままのセミを残し、やり切れないまま痛烈な当たりを浴び、グラブをはじかれる中前打を許した。
負傷を心配した島崎投手コーチと吉部トレーナーがマウンドに集合。同トレーナーが持ち去って落着したが、この回1失点で途中降板の憂き目を見た。それでもソフトバンク戦5連勝を飾り、梨田監督は「マサルが『ムシ』してよく投げたね」と得意のダジャレで絶賛した。再び貯金1で上位追撃へ。左腕エースに羽を休める時間はない。
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20100815-OHT1T00259.htm
お得意様相手に負けるわけにはいかない。武田勝が7回2/3を3失点。ソフトバンク戦は昨季から5連勝で、チームの連敗を3で止めた左腕が「苦手なところを突いていけば、大けがはない」と話すほど、自信の投球だった。
5回、長谷川に2ランを浴び、先取点を奪われた。ホークス打線相手に22イニングぶりの失点だった。しかし、「うまく打たれたので、すぐ切り替えた」と8回途中まで力投。ソフトバンクには今季5戦4勝0敗、防御率は0・99と安定感抜群だ。
8回1死、投球中にセミが右肩付近に付いた。「ドームなのに!?」と慌てたが、次の長谷川の打球が投手を強襲しそうな中前打だっただけに、「右肩注意という暗示だったのかな」と笑わせた。母校・関東一の甲子園2勝も刺激になった。ボール20ダース差し入れし、「もっと名前を広めて」と期待を込めた。2年連続2ケタ勝利にも「まだ先がある。勝利を積み重ねていければ」という左腕の言葉が頼もしかった。