POTALIVE 「駒場編vol.2 LOBBY」
2007年8月4日(土)~9月2日(日) こまばアゴラ劇場
作/演出:岸井大輔
「POTALIVE(ポタライブ)」は以前にも観ているのですが
観る度に非常に多彩な表現が感じられるのです。
(これまで私が観た)「POTALIVE」の要素として全てに共通するものとしては
・ 街で行われる
・ 案内人が観客を案内しながら街を歩く
実はこの2点しかありません。
しかし、この2点だけであるために、非常に柔軟に、様々な手法や形式
を応用し、組み入れる事が可能だと思われるのです。
また、案内人が同時に演者であるために、その様式そのものが
メタ的な要素を内包していると思われるのです。
街で行われる劇。という事は、劇として意図しない要素(=ノイズ)
が発生する事を想定しなければならないのです。
もちろん、街のノイズに負けない強度を持たせる。という考え方も
あるのですが、ここでは、逆に、自らノイズを発生させる事により
街のノイズと接続し、共鳴させ、劇に取り込む事を可能としているのです。
そして、そのノイズこそが、劇を豊かなものにしていると感じられるのです。
また、別の側面として
この様式は、劇を行うための費用がほとんど掛からない。という事が言えるのです。
街で行われるため、劇場を借りる費用も、機材の費用も必要無いのです。
とても当たり前の事ように思えますが
今の演劇を考える上でこの事は非常に重要な意味を持つと思われるのです。
岸井大輔。恐るべし。なのです。