ポツドール+三鷹市芸術文化センター 「人間失格」 | 週末シアターゴアーの傾く日常

ポツドール+三鷹市芸術文化センター 「人間失格」

2007年7月6日(金)~7月16日(月) 三鷹市芸術文化センター 星のホール
脚本/演出:三浦大輔
出演:米村亮太朗、古澤裕介、岩瀬亮、白神美央、深谷由梨香(柿喰う客 )


太宰の「人間失格」をモチーフとした公演。


前回公演の「激情 」では、空間の広さに対応して、これまでの
「リアル」な表現から抽象的表現に向かったように感じられたのですが

本公演では、やはり「リアル」が感じられるのです。

ただ、これまでと異なる点がいくつか散見されるのです。


時間経過表示が伴わない暗転となっている点は
「激情」と同じなのですが、時間経過は別の表現で間接的
に表現されていると考えられるのです。


それは、テレビなのですが、「はなまるマーケット」や
「笑っていいとも」などの放送時間が一般的によく知られている
番組を映すことにより、間接的に時間の経過を表現していると
考えられるのです。


また、テレビで放送されている内容が劇の内容とリンクする表現が
あるのも、特徴的であると言えるのです。


もう一点として、物語の後半の時間が繰り返される事が挙げられるのですが
それは、物語の前半を受けての後半が2バージョンあるといったように解釈
できるのです。


結果、劇中での時間が遡る事となっているのですが

物語として、時間が遡っているのでは無いのです。
あくまでも、後半の時間が2回あるだけなのです。


表現としての軸は「リアル」に置きながら、物語を語る手法としての
枠組みを徐々に広げつつあるように感じられるのです。


面白いのです。


「はなまるカフェ」のゲストは館ひろしなのです。