PARCO 「フールフォアラブ」 | 週末シアターゴアーの傾く日常

PARCO 「フールフォアラブ」

2007年2月7日(水)~2月25日(日) PARCO劇場
作:サム・シェパード
演出:行定勲
訳:伊藤美代子
出演:香川照之、寺島しのぶ、甲本雅裕、大谷亮介


サム・シェパードの作品を映画監督の行定勲が演出。


ともすれば、重々しい会話劇となってしまう可能性をはらんだ脚本と
言えるのですが、そうなっていないのは、行定の演出に依るところが大きい
のではないかと思えるのです。


コミカルとも言える役者の動きの多さや動き自体の大きさ
ドアの開閉に伴う異常にデカいSE、舞台外での表現など
ディテールでメリハリを付けているあたりなど
劇作として脚本を重視しながらも重々しさや変化の乏しさ
を回避する方向性が垣間見えるのです。


そして、その方向性は成功していると感じられるのです。


その演出は、ドタバタ劇的となってしまう紙一重のところに
あると感じられるのですが、それが、そうならなかったのは
この演出を受け止める事のできる、役者陣がいたからこそなのです。