ジャイとの関係を修復できず、最悪のチーム状態のまま迎えた大会の試合当日。

前回の大会では、ベンチ入りメンバー以外は球場にも行けないという仕打ちを受けたものの、

今回は私たち2年生部員が結果的に


“チームの応援のために修学旅行不参加”


という建前を打ち出した都合上、晴れて野球部全員で球場に乗り込む事に!

まぁ、普通の野球部では当たり前の事だと思うのですが、

この時期の我が野球部では、こういう当たり前の事が中々難しいものでございました。


しかし、全員で球場まで行くとなると

前回同様にジャイがどこぞから借りてきた定員20名のマイクロバスでは乗り切れません。

そこで、以前もそうしていたように

数名の保護者に送迎で協力を仰ぐことになったのでございます。

その保護者の中には、私の父親も含まれていたわけで・・・。


私はベンチ入りすら出来ないこの大会を迎えるにあたって、

父親にある程度の現状を話した上で、

ジャイに対しては、とえりあえず何も言わずに自分らに任せてくれと申しておりました。


それは他の部員も同じだったようでございまして。

まっとうな野球部であれば、

試合当日の朝、学校に集合した送迎担当の保護者たちは、

息子が世話になっている監督に対しては笑顔で挨拶を交わし、

野球部の話題なり、世間話なり、何かと会話を交わすもの。


ところが、皆恐らく息子から現状報告を受けた上での事でございましょう、

保護者は誰一人、監督であるジャイに話しかける気配すら見せません。

ジャイの方も、部員はもちろん保護者からも発せられる

殺伐とした空気を感じていたのかどうかは定かではありませんが、

積極的に保護者に話しかける事などあるはずもございません。


そんなこんなで、

ジャイを中心に険悪な雰囲気に包まれたまま、

我が野球部は、試合が行われる球場へ乗り込んだのでございます。


                                           

                                           (つづく)

                                          

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