「もっと見晴らしがいいところがあるんだ。」
PはF子さんを連れて、ドンドンと登って行きました。
ついた場所からは街の光が粒のように見えました。
空気が少し冷えて、少し頭が冴えました。
「見てごらん、キレイだね。」Pは言いました。
「うん、きれい…」F子さんは呟きました。
「あの光の一つ一つが、人の暮らしの光なんだね…」
Pは言いました。
「星みたい…」とF子さんは呟きました。
すでにウクライナの戦争が始まっていました。
「ココで核爆弾が爆発したら、一体どうなるんだろう…」不謹慎にもPはそう呟いてしまいました。
「プーチンは追い詰められていて、かわいそう…」とF子さんは言いました。この答えはとても僕にとっては意外でした。
Pはマジメに答えました。
「どんな理由があっても、人を殺したり、営みを壊すのはよくないよ。」
「…」F子さんは黙りこくりました。
PはF子さんを後ろから抱き寄せました。特に拒否された感じはありませんでした。
抱き寄せながら考えました。たぶん、あまり充実した生活でないんだろうなあと。この子は、世の中いいことないと思っているんじゃないかな、と。
上から目線かも知れませんが、PはF子さんがあわれに思えました。
「そんなこと言わないで…」PはF子さんをグッと抱き締めました。
「クソみたいな世の中だけど、良いこともたまにあるし…」
Pはスケベ心なしにF子さんにキスしました。
F子さんはキスで返してくれました。歯と歯があたりました。
愛おしくなって、胸を触りました。
嗚咽のような、感じてるような、そんな声をF子さんは上げました。