渋谷川(渋谷駅での旧宇田川と旧隠田川合流後、天現寺橋まで。以降は呼び名が「古川」になります。)には、以下の支流がかつてあったようです。

 参考:http://www.gsi.go.jp/
 国土地理院地図:色別標高図にチェックして、該当場所でクリックしますと、その地点での標高がでます。

 参考:東京都 建物おける液状化対策ポータルサイト
 http://tokyo-toshiseibi-ekijoka.jp/chireki/chireki_search.html
 土地条件図にチェックしてみますと、台地(オレンジ色)・川跡(ピンク色)・湧水源跡(薄緑色)など分かります。

 参考:渋谷川中流部(0)中流部水系の概要
 http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-10.html


1.南平台辺りからの流れ
 南平台の湧水源から鶯谷町を通り渋谷川に至る流れ

 上記の土地条件図から、南平台辺りにはカタカナの「キ」を西向に傾けたような湧水源と思われる個所があります。その先の西郷山公園の東側辺りも低く、そこに至る旧山手通りも窪んでいます。なお旧山手通りの南西側は目黒川沿いの急崖が続いています。
 標高としては約5mほど川筋と思われるところが低くなっています。
 この湧水源からの流れは、鶯谷町の谷筋(旧川筋)を通り渋谷川に合流していました。鶯谷町の谷筋では高台と約10mくらいの標高差があります。
 なおこの川筋を利用して尾根筋を流れていた三田用水を分水していたようです。
 
 参考:【3-3】三田用水鉢山口分水
 http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-3.html
 参考:三田用水
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%94%B0%E7%94%A8%E6%B0%B4
 「東京都世田谷区北沢(旧・下北沢村)において玉川上水から分水され、目黒区駒場と渋谷区大山町・上原・富ヶ谷・松濤との境界付近、神泉町、恵比寿、目黒区目黒付近等を流れ、三田方面に向かっていた。区間の多くが、渋谷川水系と目黒川水系の間の稜線にあたる台地上にあった。(引用終わり)」
  参考:下末吉面と地殻変動、淀橋台は隆起したのか?
  https://blogs.yahoo.co.jp/smqjt669/20898405.html
 
2.青山学院大学辺りからの流れ
(1)黒鍬谷の流れ…青山学院大学の西側辺りから金王神社を通り渋谷川に至る流れ
 青山学院大学の西側辺りから、金王八幡宮の東側を回り込み、渋谷川に流れていたようです。
 青山学院大学の西側の通り沿いが若干低くなっているところがありますが、はっきりと川筋と分かる地形はありませんでした。金王八幡宮の東側から回り込むところは川筋と分かる地形になっていると思います。

 参考:渋谷川中流部(1)渋谷川中流部と黒鍬谷の支流
 http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-21.htm
 
(2)旧いもり川…青山学院大学の南東の隅辺りから流れて島津家下屋敷跡(常陸宮邸)の東側を通り、東京女学館小学校辺りから東南から南方向に流れ、広尾の谷筋を抜け、最後に明治通りを横切り渋谷川に至る流れ

 この流れは結構標高差があり、川筋がよく分かります。青山学院大学の南東の隅辺りは大学の高台から約5m低くなっています。渋谷川と「いもり川」に挟まれた国学院大学がある馬の背のような細長い台地(標高約30m)からこの川筋は約10m低くなっています(広尾2丁目辺りからはさらに約5m下がります)。なお渋谷川からは高台までは約20mの標高差があります。)
 
 参考:いもり川
 http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-5.html


3.代官山駅辺りからの流れ
 代官山駅辺りから北北東に流れ、山手線に至る辺りで南南東に向きを変え、その後東流し山手線を横切り比丘橋近くで渋谷川に至る流れ

 代官山駅周辺は周りの台地から約5mほど低くなっています。その後、この細い谷筋は線路沿い(北北東)に続き、渋谷川に合流していたようです。この谷筋も三田用水の分水路になっていたようです。

 参考:【3-4】三田用水猿楽口分水
 http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-4.html

4.防衛省艦艇装備研究所辺りからの流れ
 防衛省艦艇装備研究所辺りから北流し、恵比寿駅西側で北東に向きを変え、一部はそのまま渋谷川に至り、一部は東流して新橋の手前で渋谷川に至る流れ
  
 恵比寿駅は渋谷川の低地にあり、その周辺に以下の台地があります。
(1)代官山駅の谷筋から東側・上記4の川筋から西側の台地(恵比寿西1丁目、恵比寿南3丁目)
 鐘ヶ崎交差点(標高約25m)から恵比寿駅(標高約15m)に向かう道路はずっと下り坂になっています。 
(2)上記4の川筋の東側・渋谷川低地の南側(恵比寿南1・2丁目、恵比寿ガーデンプレイス辺り)
 上記の4の川筋はあまりはっきりしませんが、旧原町住宅側の高台とは約5mくらい低く、恵比寿南2丁目の交差点辺りがやや窪んでおり(標高18mくらい)、恵比寿1丁目交差点の高台(標高約30m)に向かいずっと上り坂になります。
 恵比寿ガーデンプレイスのある高台は約標高約30m、北側に行くにつれて標高が低くなります(渋谷川は標高10m)。
(3)渋谷川と「いもり川」の間の細長い馬の背のような台地(広尾小・中・高校、国学院大学のある高台)
 渋谷橋交差点(標高約13m)から北北東に上る道路があり、広尾高校辺りで標高約30mになります(標高差17m)。

 また恵比寿駅西側から渋谷川に沿って東流していた川筋は一部路地状の暗渠道として残っています。
 なお4の谷筋も三田用水の分水路に使われていたようです。

参考:【3-6】渋谷川中流部(2)三田用水道城口分水と渋谷川中流部その2
http://tokyowater2005remaster.blogspot.jp/2016/01/3-622.html


渋谷区洪水ハザードマップ
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/anzen/bosai/hasai/pdf/kozui_map201704.pdf
 南平台からの流れ(鶯谷町の谷筋)に薄水色・緑色の個所があります。いもり川沿いでは青色・薄水色・緑色のところがあります。代官山駅周辺は青色になっています。防衛省艦艇装備研究所辺りからの流れのところに薄水色・緑色のところがります。
 
参考:東京都 建物おける液状化対策ポータルサイト
 http://tokyo-toshiseibi-ekijoka.jp/chireki/chireki_search.html
 土地条件図にチェックしてみますと、旧川筋はピンク色の「盛土・埋立地」(沖積層)、湧水源は薄緑色になっている場合が多いです。

参考:東京都防災マップ 渋谷区
 http://map.bousai.metro.tokyo.jp/map.html?lat=35.6639320694&lon=139.6980500279&tab_mode=2&zoom=13
 恵比寿4丁目、防衛省艦艇装備研究所・目黒学院高等学校の南西側に急傾斜地崩壊危険箇所があります。

 参考:渋谷区地震防災マップ
 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/anzen/bosai/hasai/pdf/kikendo2014.pdf
 

 参考:東京都液状化ポータルサイト
http://tokyo-toshiseibi-ekijoka.jp/other_data.html
渋谷区
http://tokyo-toshiseibi-ekijoka.jp/pdf/113_shibuya-ku.pdf
 こちらのボーリングデータを見て、土質・N値など確認しましょう。

 参考:換算N値と地盤 スウェーデン式サウンディング試験換算N値と地盤(ジオテック�様)
https://www.jiban.co.jp/service/kouji/kouji02.htm
砂質土の場合はN値5以下が軟弱、粘土質の場合N値3以下が軟弱とのことです。

 参考:ボーリング柱状図とは?
 http://www.shimane.geonavi.net/shimane/boring.htm
 
参考:9. 地盤液状化 液状化危険度 
 http://dil.bosai.go.jp/workshop/03kouza_yosoku/s09ekijyoka/liquefaction.htm
「液状化は,締まりの緩い砂質層の存在と地下水による飽和,という2つの条件の組み合わせがある場所で生じます.砂丘以外のところでは,地層はごく表層を除き地下水で飽和しているとしてよいので,結局,砂質層が分布するか否かの把握が危険度判定の基礎になります.ボーリングデータにおける地質の記載では,シルト質砂・礫まじり砂・貝がらまじり砂などいろいろな表現がなされていますが,砂の文字が入っていれば液状化の可能性があると判断してよいでしょう.液状化が最も起こりやすいのは細粒・中粒の砂で,その粒径が揃っているほど液状化の可能性が大です.締まりの程度はN値によって判定します.砂層の深さにも関係しますが,N値がおよそ20以下であると液状化発生の可能性があり,N値が10以下であると液状化の危険性は大きくなります.深くなると液状化の影響は地表にまで達しなくなるので,問題になるのは深さ15~20m以内の砂層です(図9.2 液状化発生条件).液状化しない地層(泥層など)が上に載っていると(厚さおよそ3m以上),噴水・噴砂が抑えられるので,地表面の変形は生じません.(引用終わり)」
 液状化を考慮すると、土質が砂交じりである場合、N値が20以下ですと可能性があり、N値が10以下ですと危険性が大きくなるようです。

参考:http://www.gsi.go.jp/
 国土地理院地図:色別標高図にチェックして、該当場所で右クリックしますと、その地点での標高がでます。
 台地と川跡の低地の標高差を確認してみましょう。