規律と文化と言語。
監督時代、エディージョーンズさんのコーチングセミナーを受けた時のこと。
慶応大学のキャンパスで行われたコーチングセミナーで、エディさんは開口一番に勝つチームの条件として、その三つを挙げた。
勝つチームには必ずそれらが備わってるのだと。
その通りだと思った。
チームの規律、文化、そして独自の言語。
福岡県高校ラグビーの新人戦を見て、各校の「文化」を感じた。
国や地域や民族。
のみならず、学校や学部、部活にも文化が根付いている場合と、そうでない場合がある。
誇りを抱いて守り続けている文化があるとすれば、それ自体が価値だ。良し悪しではない。
そのまま「伝統」と言い換えても良い。
体感で5℃を下回る寒空、キックオフ直前に雷鳴で約40分の待機。冬の雨が止んではまた降る60分間。
試合終了後に、修猷館高校の選手たちは、真っ先に自校の応援団の前で深々と頭を下げた。
我々が観戦していた場所から最も離れたところで、応援団はいつものように裸足で一緒に戦っていた。
近くで見た表情から、そのことが一層伝わってきた。
選手たちは力を尽くして戦った。
観客はその戦いに感動を覚えた。
そして、選手たちと同じ思いで戦っている高校生がそこにいた。