先日書いた、ケータイで株取引をやろうとすると「やってられねぇ」と感じる件を書いておきます。これをコンピューター的に言い換えると


「ケータイでは"マルチタスク"ができない」


とすることができます。


パソコンでは、複数の銘柄の板情報や現在値を一度に見ることができます。インターネットで株式取引を取り扱うところでは、このくらいのことはパソコン1台で十分可能。


A社・B社・C社のどれを買おうか、なんて選択をやるのにどれくらい時間が掛かるかを、「板情報」を見比べるケースで書いて見ます。


パソコンでは一目でできるので数秒で済む。
ケータイでは、そのスペックから1社ずつ見ていくしかない。それをやるだけで1-2分ぐらい平気で掛かってしまう。それだけで済めばいいのだが、ディスプレイに表示されていない銘柄の板状況は変わってしまうので、A・B・Cのどれを選択すればいいかの判断は、ディスプレイの情報だけでは満足にはできない。おまけにタイムラグがパソコンの何倍も平気で出てしまうので、その間に機会損失が出ることもある。


そんなわけで、ケータイなんかでの株取引は「やってられねぇ」となるわけです。
収入の期待値が、株のトレーダーを自宅でやるより低い社畜企業の賃金では、なおさら「やってられねぇ」感を感じるもの。


そうは言っても、社畜企業にいるのは、単に自営をやるための蓄えが無いから。資金不足が、社畜どもの醜いツラを見る原因になっているのが現実。社畜企業が足かせになりつつあるのが、ケータイでの株取引を通じて感じるのです。


ワーキングプアに陥っている人が、低賃金での労働を長時間余儀なくされるのと似たような蟻地獄のような世界です。


なんで会社のパソコンで株をやらないかって? アクセスログを見られたら、クビにしてくるから。自宅でトレーダーをやったほうが収入の期待値はいくら大きいとは言っても、失敗したら取り返しがつかなくなってしまう。
蓄えが十分でないので、自宅でのトレーダーの方がベターとわかっていても、それに踏み切れない。辛うじてできることといえば、最大限年休を取って、トレーダーを行うことぐらい。
自宅にいれば、株取引をやっていても、案外時間的な余裕がある。しかし、その同じ事をケータイでやろうとすると、手間ばかり掛かって、かつ満足な取引ができないことが多い。


そんなことで、社畜企業にいざるを得ないことにジレンマを感じてしまう。
株式取引を為替証拠金取引(FX)に置き換えても、似たことを感じる人がいるはずです。


人は誰も、よく生きていたいものです。収入や地位は満足レベルまで上を目指すもの。それが期待できないところからは人心は離れるものです。意味がある人と会うときには、颯爽と出かける一方、徒労とわかっているところにやる気など出るはずもありません。
先が見えてしまった社畜企業と、やり方次第でなんとかなるトレーダー。その差をケータイでの株取引を通じて感じてしまうのでした。