京都大学・原子炉実験所が、原発などで生成された、消滅するのに天文学的長時間を要する猛毒原子(プルトニウム239など)を、消滅するまで人が想像しうる時間で済む原子に作り変えようとする実験・研究を行っている。本来なら、「半減期2万4千年」の猛毒原子を「半減期30年以下」の猛毒原子ではなく、害の無い原子に変えて頂くのが最適解だが、その実現性はないのだろう。


でも、「半減期2万4千年」ではアンタッチャブルな青森県六ヶ所村の"名ばかり再処理工場"半永久投棄所が、「半減期30年以下」ならば"名に恥じない再処理工場"として十分に機能していく。


ADSR炉のお話である。


本来ならば、ウランを燃やす原子力発電そのものが「危険物発生」させるので反対なのだが、放射性廃棄物の負の遺産を大幅に減らせるのであれば、「負の遺産を大幅に減らす事」が「正の利益」に直結する場合に限って賛成とするしかなくなる。


「負の遺産を大幅に減らす事」が「正の利益」につながれば、アンタッチャブルなムラ社会など、崩壊してしまうのでなおよしとなる。




霞ヶ関文学のようなまどろっこしいお話を混ぜてすみません。
京大が研究するADSR炉が実用化されれば、今日抱える原子炉の問題の多くは解決できてしまう。チェルノブイリ、スリーマイル島、福島第一のように壊れてしまったものには無力だが、「危険極まりない」とはいえ人の管理ができている原子炉には有効と思える。


ADSR炉の実用化成否次第だが、うまくいけば「福井嶺南・若狭湾・恐怖の関電原発銀座」の要素は激減し、宝の山に変えられるとも思えてくる。


老朽化した原子炉の解体で生じた、「危険極まりない廃棄物各種」も、ADSR炉の利用で害の少ないものに変えられ、廃止処理も低コストかつ安全度を増す形で行うことができる。
原発設置自治体を補助金漬けにする必要も薄くなる。


危険物を処理できるようにするとともに、発電そのもののではない、莫大な周辺コストが激減すれば、原子力発電を反対する理由の大部分は散逸してしまう。


しちめんどくさい理屈だが、ADSR炉次第で、原発をやめる理由が激減する。原発を多く抱える関西電力は、今の700円台前半では叩き売り状態…そんな理屈が成り立ってくる。


実際には、原子力発電よりLNG発電の方がコストが安いので、ADSR炉によって安価に廃炉処理を進め易くなる…と考えておくのがよさそうです。ADSR炉が実用化されても、既存の原子炉が安全に処理されない限り、「爆発」に伴う危険は消えていない事など否定できない。


以下は引用です。
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「核のゴミ」の寿命を縮める 世界初の実験 ADSR炉とは?


将来にわたって頭を悩まし続ける核のゴミ。その解決の道筋につながるかもしれない世界初の実験が日本国内で行われています。
京都大学・原子炉実験所。ここで、ある研究が進められています。
核のゴミを地中に埋める期間を10万年という気の遠くなる年月から一気に数百年まで短くしようというものです。


放射能には「寿命」があります。原発から出る使用済み核燃料には、放射能が半分になるまで2万4000年もかかる、
寿命の長いプルトニウム239などが含まれています。この寿命を人間の手で短くしてしまおうというのです。
仕組みはこうです。加速器を使い、「陽子」を光の速さに近いものすごいスピードで鉛の入った金属に衝突させると、大量の「中性子」が発生します。
その「中性子」を寿命の長いプルトニウム239などにぶつけると、核分裂が起きて寿命の短い別のものに変わるといいます。
核のゴミから寿命の長いものだけを取り出して、この技術を応用すれば、放射能が半分になるまでに
30年もかからない寿命の短いものばかりになり、地中に埋めておく期間も一気に短くなります。


「陽子を実際に原子炉の手前まで持ってきて照射するという結合実験は世界初」(京都大学 山名元教授)
京都大学では、実際の原子炉に加速器をつなげた世界で初めての実験を行っています。


「原子力発電が今後なくなっていくか、使い続けるかというディシジョン(決定)はこれから議論されていくけど、どちらにおいても、
そういった放射性の長寿命のものを減らしていく技術を追求し続けていく姿勢が必要」(京都大学 山名元教授)


世界初の実験は「核のゴミ問題」の解決への一歩となるのでしょうか。


TBS 2013/2/27
http://news.tbs.co.jp/20130227/newseye/tbs_newseye5268131.html


<参考>
ADSR炉(加速器駆動未臨界炉)


加速器を使い、放射性廃棄物を破砕消滅させてエネルギーを取り出す原子力発電。
ウラン・プルトニウム近縁の核廃棄物を半減期30年程度の核種にエネルギー変更、さらに半減期30年の核種を45分間で消滅処理ができる。
ADSR1基で原発10基分の核廃棄物を処理可能。ADSR炉が稼動すると放射性廃棄物を長期保管する必要がなくなる。
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引用はここまで。


ADSR炉が実用化され、持ち運びができるレベルにまで応用が進むと、現在では「移染」でしかない「除染」が、その場でできるようになるため、厄介者扱いをしないで済むように変わる。行き先の無い焼却灰も、普通に埋め立て処理に回せるようになる。


◇ ◇ ◇


今日の東京株式市場は、今週ずーっと続いている、投資信託の換金売りに見舞われ続けた感がある。「直近上昇による過熱感が消えておらず、上値は重かった。」なんて時事通信が出したコメント、真っ赤なウソだ。


たぶん、こんな雰囲気が春分の日あたりまで続く。


不動産株や、含み資産株各種が買われるのは最近の流れ通りだ。
アベノミクスバブルの様相…


その影で、JX、出光興産、三井物産、三菱商事、住友金属鉱山、アサヒ(ビール)、ローソン、パナソニック…恨みのように叩き売りが続出している。叩き売られる代表は、どう考えても関西電力だ。「上値は重かった」から「個別に叩き売り」の現実は、到底結びつかない。短絡的に株価指数だけでほざく「リストラしすぎて仕事が回らない疲弊」の姿が、ド近眼なコメントから浮かび上がってしまう。


現在見える、日本の最大の癌は、原子力発電が生み出す放射性廃棄物なのだから、最大の排出能力をもつ関電を売り叩くのは理解できてしまう。東京電力は叩き売られ、復活の日は自分が生きている日にはやってきそうにも無いので、いまさら叩き売られることは無い。


パナソニック・シャープに見切りをつける者が増え、関西2府4県から関東・東海などに出て行くから? その程度だったらタカが知れている。


アベノミクス効果で、不動産株や土地含み資産株がドカ上げし、円安メリットを享受する自動車株がドカ上げし…そこで、機関投資家たちは2012年3月末より大幅に保有株式の評価額が急増したので、持っていたくない銘柄を叩き売る。


それだけの流れに終始していた感じがする。


日経平均 12,381.19 △141.53
TOPIX   1,038.17 △6.75


もっとも、関電叩き売りの件は、放射性廃棄物を安全に処理できる技術にメドが立ったら愚行に転じてしまう。京大原子炉実験所が実験中のADSR炉に実用化のメドが立ち、実用化されていったら、莫大な負の遺産である「廃炉」問題は、大部分解決できてしまう。
溜めるに任せる「汚染水」も解決するかもしれない。


電力会社がこの研究に力を貸さないはずも無い。フクシマの補償問題とは分けて考えないと。
関電の項は、賠償金を負う東電と、原発そのものを持っていない沖縄電力以外の電力会社に共通するお話です。もっと進めると、欧米にも、環太平洋諸国にも当てはまる話だ。
恩を仇で返す反日韓国、お前のものは俺のもの中国には"技術供与"なしに強要だ!


それから、ここ何日間で理由も無くドスンと売られたところは、換金売りが終わったらドカンと買いが入る公算が高いので、要注目ね。


この項、以上です。