暑いんだよ!なんなんだよ!38℃って!ふざけんじゃねえよ!今年もエアコンねえんだよ!
・・・・・・はっ、失礼いたしました。心の叫びが無意識のうちにキーボードに叩きつけられていた模様です。
気を取り直して、今年もエアコンなしを芸に昇華しようとするもまったくしきれていないので、もうあきらめていっそエアコをン購入してしまおうかと思案中のWIMPです。いやそうじゃないそういう理由じゃない。命が危ないからと妹に本気で心配されました。皆さまいかがお過ごしですか。エアコンありますかそうですかそれリア充っていうんでしょ爆発し・・・・・・ちがうの?
さて、唐突ですが、わたし「アナ雪」を観ました。どうだ意外だろう自分でも驚くわ(なにが苦手といって、ディズニーの絵と動きが子供の頃からほんっとに苦手)。
まあ、つきあいでというか、なんというか、しかも時間の関係でラスト15分を観ていないというね。だからハンスに裏切られたアナがどうなったかしらないし、エルサが魔力をコントロールできるようになったかどうかもしらない。冬に閉じ込められた国(なんて名前だっけ?)に夏が戻ってきたのかどうかも。が、悪いようにはなってないんでしょ?
(わたし的には悪いようになってる、というか「ホントにそれでいいのか」になってるようにしか想像できないんだけど。なんとなくなんだけど)
ということで、いまのわたしが作品のレヴューをするとすれば、「結末はこうなっているに違いない大予想」をするしかないのだけど、そしてそれはそれで、やっちゃえば一本やっつけ記事ができるような気がするのだけど、まあやめておこう。だってねえ、噂によるとディズニーファンの皆様の中には冗(中略)るらしいし、そういうことをふざけてやると、あとあとめんど(以下略)
ところでレリゴー、人気ですね。
こないだCD屋さんの店先でかかってた歌に合わせて、小さい子がふたり歌ってて、ほんとかわいかった。
映画館でもシングアロング・バージョンの上映とかやってたみたいだし、松たか子さんの歌の評価も高いらしい。ということでYouTubeで聴いてみた。
とてもよくできた訳詞だと思う。画面のキャラクターの口の動きと合うようにつくられてて感心した。けどやっぱり歌うためにつくられた詞なので、拾い上げられていない部分がたくさんある。
とはいえそれはしかたのないことなのだ。一音に対して一音をあてるとすると、ほぼすべての子音には母音がセットでついてる日本語の場合、原詞に沿った訳詞というのはかなり難しい。たまたまさっき耳にしたある歌の一部分を引用してみる。英語では"Give me a boat"と4音節の箇所に「小舟があれば」と7音があてられていて、音が刻まれて、原曲のゆったりした感じが殺されている感じがする。意味を優先すれば、多かれ少なかれ音を犠牲にすることになる。音を優先すると、さっきの詞なんて「船くれ~」とかなんとかどうしようもないものになる・・・・・・のは単にわたしの才能の問題か。ともかく誤解のないようにいっておくけど、べつにどっちがいいとか悪いとかいうつもりはない。それは英語と日本語の音声的特性の差異の問題なのだ。だからあの音数であれだけのことを伝えられる"Let It Go"の訳詞は、ほんとうによくできていると思う。
そういうことで、歌うことを前提とせずに、原詞の意味に沿った訳をしてみたいと思った。ほんで酔った勢いでバーッとやっちゃって、酔った勢いで「見たい人いるー?」と聞いてみたら、4票入ったので公開。多いか少ないかは問うてはならない。
あっ、そうだ! カラオケとかで英語で歌いたい人に読んでもらいたいなあ。こういう意味のことを歌ってるんだ、と思いながら歌うと、ホラ、表現力の点でね、差がつくよ! わたし、学生のときシェイクスピア劇の上演サークルの手伝いしてた(手伝いだけ。舞台に上がってくれというオファーは全力で拒否した)けど、その舞台を観た教授の「あれじゃパロット(鸚鵡)だ」という感想を耳にして震撼したからね!
それでは、始めますか。
The snow glows white on the mountain tonight,
not a footprint to be seen.
A kingdom of isolation and it looks like I'm the queen.
The wind is howling like this swirling storm inside.
Couldn't keep it in, Heaven knows I tried.
Don't let them in, don't let them see.
Be the good girl you always have to be.
Conceal don't feel, don't let them know.
Well, now they know!
Let it go, let it go.
Can't hold it back anymore.
Let it go, let it go.
Turn away and slam the door.
I don't care what they're going to say.
Let the storm rage on.
The cold never bothered me anyway.
今夜この山では雪が真っ白に輝いてる
足跡ひとつない
誰も来ない王国ね わたしはその女王みたい
風が吠えてる わたしの中で渦巻く嵐のように
抑えておけなかった がんばったのに
誰も中に入れてはいけない 誰にも見られてはいけない
いい子でいるのよ いつもいい子で
隠すのよ 感じてはだめ 誰にも知られてはいけない
でもね、もうみんなにばれてしまった
もういい もうそんなのおしまい
これ以上抑えてはおけない
もういい もういいの
背中を向けて、扉を閉めよう
ひとのいうことなんて気にしない
嵐よ、吹き荒れるがいい
どうせもともと寒さなんて平気だったもの
ちょっとやっぱり、がちがちに正確に訳すよりも、歌詞なんだからとイロケを出してしまったきらいがあるので、そこをちゃんとやっとこうかね。
まず"let it go"というのは、「諦めろ」、「忘れろ」、「放っておけ」、「こだわるな」ということ。だけど、「ありのまま」という意味じゃないからといって訳詞を叩く気は毛頭ない。だってその直前にちゃんと「それももうやめよう」っていう詞があるでしょ?(その前の部分には重大な問題があるのですが)
"let the storm rage on"は、文字通りには「荒れ狂っている嵐をそのままにしておけ」ということ。原詞ではエルサは山に吹く現実の「風」と、自分の中の「嵐」を重ね合わせている。つまりこの「嵐」は、エルサの自分で制御しきれない魔力のことを指している。だから"Let the storm rage on"とは「自分の力を抑えないでおこう」ということだとすぐわかるのだけど、訳詞ではこの部分、「風が心にささやくの このままじゃだめなんだと」となっていて、その「風」がなにを指しているのかはっきりせず、「風よ吹け」がどういうことをいわんとしているのか、よく伝わらない(が、後述するけど、それは戦略なのではないかと思う)。
あ、それと、この箇所を訳すにあたって、映画観てよかったなと思うのは、ここ。
Don't let them in, don't let them see.
Be the good girl you always have to be.
Conceal don't feel, don't let them know.
ここ、歌だけ聴いてて意味がよくわからなかったんだけど、映画観てわかった。エルサがその魔力でアナを傷つけてしまったとき、成長とともに強くなっていく力を自分でコントロールできるようになるまで、人目に触れることのないようにと父王が宮殿の扉を閉ざしたこと(Don't let them in, don't let them see.)、そして、おそらく両親に言われ続け、また自分で自分に言い聞かせ続けたことば(Be the good girl you always have to be. Conceal don't feel, don't let them know.)なんだな。
(よく抜粋した部分だけもってきて、「訳して」とかいう人いるんだけど、文脈がわからないと正確な訳なんてできないんだよね、ホント。お願いしますよ)
では続けます。
It's funny how some distance,
makes everything seem small.
And the fears that once controlled me, can't get to me at all
It's time to see what I can do,
to test the limits and break through.
No right, no wrong, no rules for me.
I am free!
Let it go, let it go.
I am one with the wind and sky.
Let it go, let it go.
You'll never see me cry.
Here I stand, and here I'll stay.
Let the storm rage on.
可笑しいものね 離れてみたら
なにもかも小さく見える
ずっと恐れに支配されていたけど、もう恐くない
自分になにができるか見極めるときがきたのね
とことんやって限界をぶち破るときが
いいとかいけないとか ルールなんて関係ない
わたしは自由よ!
もういい もう悩まない
わたしは風や空とともに在る
もういい もういいの
誰にも決して涙は見せない
わたしはここに立つ そしてここで生きていくわ
嵐よ、吹き荒れるがいい
"I am one with the wind and sky." 「わたしは風や空とともに在る者」。これは「自分は人の仲間でなく、風や空の仲間」と言い換えてもいいかも。自然の一部。自分の力は自然なものであるということでもあろうし、あとに続く部分"You'll never see me cry"「あなたたちはわたしの泣くところを決して見ないであろう」=「あなたたちに泣くところなど決して見せはしない」とも呼応して、「人の世界」との別れの表明でもあると思う。
My power flurries through the air into the ground.
My soul is spiraling in frozen fractals all around
And one thought crystallizes like an icy blast
I'm never going back; the past is in the past!
Let it go, let it go.
And I'll rise like the break of dawn.
Let it go, let it go
That perfect girl is gone
Here I stand, in the light of day.
Let the storm rage on!
The cold never bothered me anyway
わたしの力が大気を通り抜け大地へと降りつける
わたしの魂が凍てつき結晶となってあたりを舞う
思いが凍てる突風のように形をなす
決して後戻りはしない 過去は過去よ!
もういい 忘れよう
そして夜明けのように立ち上がろう
もういい もういいわ
あのイイ子はもういない
わたしがここに立つ この陽の光の中に
嵐よ、吹き荒れるがいい
どうせわたしは寒くなんてなかったわ
ここは難物(笑)。"flurry" は「降りつける」じゃ雨みたいだけど、ぜったい雪のイメージなんだなあ。といって「降り積もる」じゃ「降り」はともかく「積もる」って意味はないし。「パワー」が「大地へ」なんだから「降り注ぐ」感じではあるけど、それじゃやっぱり雨みたい(笑)。なんかいい日本語ないですかね。あと、 "fractals" をどうしたものか。これを日本語にするのは至難の業なんで、指しているものであるところの結晶でやっちゃいました。それでそのあとの "crystallize" を「結晶化する」にできなかったという(笑)。
それにしても、この部分の "let it go" を「これでいいの」にした日本語詞はすばらしいと思う。
とはいえ、日本語詞にある「自分を好きになって」とかそういうの、原詞にはぜんぜんない。この歌が歌われる場面は、自分でも扱いきれなくて恐れていた力が人に知られ、化け物と悪しざまにいわれて、もういいや、一人で生きていこう、というところ。自分を否定するのはやめるということではあるけれども、「自分を好きになって肯定」じゃなくて、否定する「みんな」とはお別れして、そのうえで肯定しようということを歌っているわけ。
原詞にあって訳詞にない部分もある。"Turn away and slam the door"「背中を向けて、扉を閉めよう」 これ、完全に決別の表現。
そして、「ありのままの姿見せ」ることになにがしかの意味があるとすれば、やはりそこには見る人がいないといけないわけで。誰にも見られないところでは「姿見せ」るもなにもない。だから日本語詞のほうは、自己を肯定し、独りで生きていく決意とセットである「人の世界を捨てる」という部分が抜け落ちているのではないかと思う。
ところで、この日本語詞が成功しているのは、音の面で「違和感なく歌えるから」ということがあるのと、もうひとつはこれが「みんなの歌」になっているからなのではないかと思う。原詞があくまでも「エルサの歌」であるのに対して、ということなんだけど。
その意味で周到なのは、上記で「風よ吹け」ではその「風」が何を指しているかわからなくなってしまっているといった箇所。「風が心にささやくの このままじゃだめなんだと」と訳すことで、「風」を「魔力」と対比されるものではなく、自分を導いてくれる存在のようなものにして、最後のフレーズの「風よ吹け」から「魔力」を巧妙に消し去っているといってもいいだろうか。
そのあとの「とまどい傷つき 誰にも打ち明けずに 悩んでた それももうやめよう」という部分は、原詞では「誰も中に入れてはならない 見られてはならない いつもイイ子でいないといけない そうやって隠してきたけど、もうみんなに知られてしまった」という部分にあたるけど、なにか秘密があるからといって、家じゅうの扉を閉ざして人目に触れないように軟禁された経験のある人なんてそうはいないので、それを誰しも「こういうこと、ある」「わかるわかる」といえるような内容に変えてある。
だとすると、「みんなの世界とはお別れしよう」という部分が抜け落ちているのも納得できるような気がする。そこまでいえて実行できるツワモノは、やっぱり少ないだろうから。
そうやって、共感しにくいところはバッサリ捨てて、「みんなの歌」に仕上げた手腕はスゴイと思う。
(でもなー「もう忘れて夜明けのように立ち上がろう」って、すごく美しい決意のイメージなので、残してほしかったなーなんて思ったりもする)
それでは、しめくくりといたしまして、「みんなの歌」でない原詞を、さらに超訳的に要約してみましょう。
みんなと違うところを隠そうと必死で頑張ってきたけど、ばれちゃった。もういいや。もう「みんな」の世界とはお別れして一人で生きていこう。この氷の世界なら人なんて来ないし、見られないように努力する必要なんてないし。もういいんだ。ホラ、だってもともと、わたしは寒さなんてどうってことなかったもん。もともと「みんな」とは違っていたんだもん。もういいんだ。フン。
・・・・・・日本語版がお好きな方はどうか見なかったことにしてください。
あとがき---
じつはこの記事、もっとはやくに完成してたんだけど、半年前に観た映画の感想のほうが先だろ、ということで、後回しにしていたのであった。そうこうしているうち、8月5日の未明、わたしが寝ている間に、わたしが今回やりたかったこと、というかそれ以上のことがつぶやかれていた模様だぜチキショー!
ということを先ほど、わたしはこのまとめで知りました。すばらしいのでぜひお読みください。(→「ありのままで」の歌詞はトンデモ訳?→日本語版に合わせたプロの仕事! )
ということで、急遽『ハンナ・アーレント』を後回しにしてこっちを先に上げることにしたのでございました。そうしたところですでに後出しになってしまってるわけだし、どのみちあちらの方が数段上なんですが、少なくとも二人の方にはまねっこしたのじゃないとおわかりいただけるでしょう。それでもういいの。










