「コンビニ人間」村田沙耶香
★★★★☆
第155回芥川賞受賞作。
現時点(2017年1月)では最新の芥川賞受賞作品です。
受賞当時から気になってまして、読もう読もうと思いつつ結局年明けてから読むことができました。
非常に評価の高い作品だったので、期待して読んだんですけど、面白かったです。
一気に読みました。
面白い小説というか、怖い小説と言った方がいいかもしれません。
主人公のキャラクターや他の登場人物も出てくる人間すべてが怖かったです。
読む人によってはこの小説はとんでもなく恐ろしい本になるのではないかなぁと思いました。
同じコンビニで18年間働いている古倉恵子は未婚のまま36歳になっていた。
恵子は子供の頃から感情というものがなく、他の人とは違う感覚と考え方を持っている。
そんな恵子を心配する親や妹は、いつか恵子の感情が普通になる日を望んでいる。
恵子はコンビニで働いている間はマニュアルの通りに動けばいいことから、コンビニにいる間は普通でいられるため、コンビニ中心の生活を送っていた。
ある日、コンビニに白羽というバイトが入って来るが、他のバイトや店長から煙たがられる人物だった。
出会いを求めてコンビニに入ってきたという白羽は結局、コンビニを辞めることに。
そんな、白羽と一緒にいることで家族から安心されると思った恵子は、白羽と一緒に暮らすことになるが・・・・・
みたいな内容です。
この小説の怖いところは、とにかく主人公の恵子に感情がないというところ。
とにかく、「好き」とか「嫌い」とか「嬉しい」とか「怒る」とか「かわいそう」とか、とにかく人に対しての感情がないんです。
これは、相当怖いです。
サイコパス
ですよね。
人の痛みがわからないし、自分の感情もない。
人を殴ってはいけないと言われているかた殴らないだけで、本人としてはなぜ殴ってはいけないのかは理解できていないんです。
小説の中では普通の生活を目指しているんだけど、いつかこのバランスが崩れて殺人者になってしまうかわからない感じがあって凄く怖い。
主人公の周りにいる人たちもとにかく「普通」という価値観を大切にしていて、普通じゃない主人公を攻めます。
女性で36歳で結婚したなくて、仕事もコンビニでアルバイト。
普通じゃない!
と言って攻めます。
この状況もこれはこれで怖いですよね。
36歳の女性なら結婚しているか、してないなら仕事バリバリやってるかどっちかじゃないとヤバイでしょ。
って。そーなんですか?怖い。
そして、白羽というこれまたかなり普通じゃない男が登場するんですけど、こいつも怖い。
やたらに縄文時代の話をするし、とにかく働きたくなくて、凄く性格も悪い。
めっちゃキモイんですけど、主人公は「キモイ」って感情もないので、何とも思ってないんです。
男性と付き合ったことない主人公は家族を安心させるために、この白羽を飼うんです。
まさに、飼うって感じなんですよね。
同棲とかじゃなくて、自分のプロフィールのために飼う。
そうすると、周りの人間は勝手に物語を想像して安心するんです。
やっと恵子も普通に恋愛とかできるようになったのね。
って。
あぁ、怖い。
全てが怖い小説なんですけど、笑える部分もあったりするんですよ。
そこがまた怖い!
最後どう終わるんだろう?って思って最後まで一気に読んだんですけど、以外とハッピーエンドっぽい感じだったんでそこがまた良かったですね。
あと、この本の装丁がいいなぁ、って思ってたんですけど、表紙になっているのは金氏徹平の作品なんですよね。
金氏徹平は現代芸術家なんですけど、凄く好きな作家さんの1人です。
好きなものが繋がっていくなぁ~。って思います。
様々なメディアでも評判になった小説です。気になった方ぜひ読んでみてください。
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