「犯罪」
フェルディナント・フォン・シーラッハ
★★★★☆
2012年の本屋大賞翻訳小説部門第1位だった小説です。
ミステリー小説だと思って読んでいたら、なんか思っているミステリーと全然違ってて凄く面白かったです。
弁護士である著者が自らの体験を元にした短編小説集。
実際にこんな事件があってわけではないんでしょうけど、やはり弁護士の目線というか、事件や犯人に対する視線がリアルで面白かったです。
個人的には
「ハリネズミ」
「正当防衛」
「棘」
辺りが凄く好きでした。
「ハリネズミ」は犯罪一家に生まれた天才的な頭脳を持った男が兄弟の犯罪を無実にしちゃうという物語。
この男はめちゃくちゃ頭がいいので犯罪なんかしなくても全然生きていけるので家族に対しては犯罪者のフリをしつつ、実際はFXで儲けまくるという二重生活をしているんですよ。
この辺の設定が面白いし、この「ハリネズミ」ってタイトルも凄くいいです。
このタイトルは男の座右の銘で
「狐は多くを理解するが、ハリネズミはただひとつの大事なことを知っている」
という言葉からきているんです。
この辺のセンスが凄くいいな、と感じました。
「正当防衛」はある駅で不良に絡まれたある男が平然と絡んできた不良を殺してしまうというもの。
どこからどう見ても正当防衛なんですけど、男が淡々としてて、絡まれても全く焦る様子がないという不思議なもの。
結局、男が一体何者だったのか?というのはハッキリしないまま終わるんですが、「もしかして、こうだったのかも?」みたいなのはあるんです。
その、「もしかして」の部分が、凄く面白い。
あー、そりゃそーなるわ!
って納得の展開。
「棘」は博物館に務めている男が、定年が数時間後というところで展示しているある像をぶち壊してしまう。という物語。
この物語はある種の病気を持った人間を描いているんですけど、他の作品にもある種の病気を持った人物がたくさん登場します。
犯罪と病気との関係も凄くゾクゾクしました。
全ての短編のクオリティがとても高く、どれも凄く面白いです。
これほどのクオリティを維持して短編を書くというのはかなり難しいとは思うんですけど、それを見事にやってのけてる著者は凄いですね。
気になった方はぜひとも読んでみてください。
こちら↓(画像をクリックで移動します)のサイトで、写真、イラスト、DJなどの作品を公開しております☆よかったら遊びに来てくださ♪

