「人形つかい」ロバート・A・ハインライン
★★★☆☆
早川書房から出ている世界SF全集の12巻ハインラインの中に入っている「人形つかい」を読みました。
ハインラインの小説ってもしかしたら読んだの初めてかもしれません。
一緒に入っている「夏への扉」を読みたいなぁ、と思ったんですけど、せっかくだし先に入ってる「人形つかい」も読んでおこうか、と思って読みました。
この小説は1951年の作品だそうですけど、今でも普通にエンタメとして面白かったし、逆に最近この手のSFっぽい設定のものがラノベという形で出ているような気がしました。
物語のはいわいる異星人による侵略ものです。
しかし、武力で侵略してくるんじゃなくて、人間に憑りついてじょじょに侵略してくるという設定で、この辺が当時は結構斬新だったのかな、って思いました。
アメリカの片田舎に着陸した宇宙船の調査に向かう秘密機関の捜査官サムと、組織のボスであるオールドマンと、捜査官メアリ。
しかし、その宇宙船はハリボテの作りもので農場の若者が作ったものだった。
ハリボテの宇宙船を見たサムたちだったが、既に捜査官が6人も行方不明になっていることもあり、不審に感じる。
事件を報道した放送局へ調査に乗り込んだ3人はそこで、まるでナメクジのような地球外生命体と遭遇する・・・・・
みたいな導入です。
このナメクジが、人間の背中に張り付いて意識を支配してしまうというもの。
そのために、背中にナメクジが張り付いてないかどうか見極めるため、みんな裸になってそれを防ぐんですよね。
みんな裸になる!!!
という設定がなんだか今時のラノベっぽいなぁって勝手に思ってしまいました。
あまりラノベというものを読んだことがないんですけど、最近のラノベって何かと裸にしたがるイメージがあります。
ファンタジーもので戦闘する女性なのに、
なんでそんなに露出してんだ!全然防御できないだろ!!
ってツッコミを入れたくなりますよね。
しかし、この小説では裸になる大義名分がキチンとあるので、登場人物が全員裸でも全く問題ないわけです。
さらに、同僚のメアリ嬢は美少女でどこかとらえどころのない人物です。
ヒロイン要素ばっちりで、そのままアニメのキャラクターにできそうな感じです。
主人公とのちょっとしたロマンスもあり、この辺もちょっとラノベっぽいな、って思います。
しかも、主人公は意図せずしてモテてしまってたりするんですよね。
ラノベの設定に多いのがハーレムものって呼ばれるジャンルがあるくらい、やたら主人公がモテまくるっというもの。
この小説ではそこまでモテまくらないんですけど、結構モテますからね。
1951年にすでにこんなラノベっぽい設定のSF小説が存在していたとはw
この小説で個人的に一番面白かったのは、(以下少しネタバレ含みます)
主人公がナメクジに寄生されて意識を支配されてしまうところです。
なにが面白いってこの小説は主人公の一人称で描かれているってとこです。
つまり、意識を支配された主人公の一人称で小説が描かれているんですよね。
最初は、それほど違和感ないんですけどだんだん
あれ?なんかおかしい
ってなるんです。
で、
あぁ、コイツ(主人公)が憑りつかれたんだ!
って気付くんですよね。
ここは一番面白かったです。
ストーリー全体としては今読むとそれほど面白いって感じでもなかったんですけど、ラノベ先取りって意味では面白いなぁ、って思いました。
次はそのまま「夏への扉」を読みたいと思います。
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