映画「オール・シングス・マスト・パス」 | 渋谷宙希のブログ

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「オール・シングス・マスト・パス」

★★★☆☆

【公開】2015年
【製作国】アメリカ
【上映時間】97分
【監督】コリン・ハンクス
【原題】ALL THINGS MUST PASS: THE RISE AND FALL OF TOWER RECORDS

 

 

 

日本では未公開のドキュメンタリー映画です。

 

 

日本では有名な「タワーレコード」の創業から廃業までを関係者のインタビューを中心に描いたドキュメンタリー映画。

 

 

正直、日本では今でも普通にタワレコがあるので、本家のアメリカには一店舗もないというのが信じられないんですけど、この映画を観るとどのように成長し、どのように衰退したのかが赤裸々に描かれててなかなか面白かったです。

 

 

そもそも、タワーレコードが一代で世界進出するまでの大きな企業になったっていうことも知らなかったので、改めて凄い会社だったんだなって感心しました。

 

 

1960年に創業したタワーレコードは、小さな町のドラッグストアから始まり1999年には10億ドルを売り上げる成長します。

 

 

しかし、2006年に突然の破産。

 

 

全ての店舗を閉店させることになったタワーレコードに一体なにが起きたのか?

 

 

みたいな内容なんですけど、まず面白いのが町の小さなレコードショップ時代の映像です。

 

 

 

 

当時はLPレコードが人気でとにかく売れに売れてた。

 

 

タワーレコードでは、どこよりも品揃えを豊富にすることで他のレコード店との差別化を図って大成功。

 

 

アーティストなんかもよく買いに来ていたようで、映画の中ではエルトン・ジョンが大量にレコードを買う様子が映っています。

 

 

 

 

当時の映像が流れるんですけど、とにかくお店の雰囲気が自由なんです。

 

 

従業員のインタビューもあるんですけど、実際に当時はかなり自由な空気の中で働いていたようで、閉店してから朝までパーティーとか結構あったらしいし、お酒飲みながら接客したり、タバコ吸いながらレジ打ったりと、今では考えられない状況だったようです。

 

 

そんな自由な空気が当時のアメリカでは逆に受け入れられたみたいで、次々と店舗を増やしていくんです。

 

 

 

 

新しく店を出したら、また大盛況と順調に拡大を続けていくタワレコが初の海外出店をするのが日本なんですね。

 

 

日本の起業家から話を持ち掛けられて、やってみっか。ってことで日本に出店。

 

 

そこでもやはり大成功。

 

 

日本国内でも次々と店舗数を拡大していきます。

 

 

この辺は我々も知っての通り。

 

 

面白かったのは、札幌のタワーレコードと名乗るレコードショップがあって、タワレコ創業者のラス・ソロモンがその店に出向き

 

 

「店の名前をパクるのはよくないことだ」

 

 

と言ったてエピソードです。

 

 

ロゴも結構そのまま使ってたんですけど、札幌でこっそりやってたのでまさか本家アメリカの創業者にお叱りを受けるとは思ってもみなかったでしょうね。

 

 

 

 

さらに、ヨーロッパや東南アジアなどの国にも次々と出店するんですけど、この辺りから経営が怪しくなってきます。

 

 

日本以外の海外事業がことごとく失敗。

 

 

さらに、時代はレコード→CDからダウンロードへと移行。

 

 

人間にはコレクター欲があるから、CDは売れ続けると信じていたラスでしたが、時代の波を読み間違えどんどんと衰退していきます。

 

 

衰退し始めたころにほとんど唯一黒字を出していた日本の事業を売ります。

 

 

なので、日本では今でもタワレコがあります。

 

 

アメリカには一店舗もないのに!

 

 

タワレコといえば有名なキャッチフレーズが

 

 

NO MUSIC,NO LIFE

 

 

ですが、このコピーも日本で生まれたとか。

 

 

映画のラストで創業者のラスが日本のタワレコを訪れるシーンがあるんですけど、

 

 

ここにはまだタワーレコードがある!

 

 

って言って感動しているのが印象的でした。

 

 

一代で世界企業まで登り詰め、一代で潰れてしまったタワーレコードはロックだなぁ、って思いました。

 

 

 

予告編

 

 

 


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