「最果てアーケード」小川洋子
★★★★☆
小川洋子の小説は好きです。
この方の世界に対する視線が凄く好きです。
今回読んだ「最果てアーケード」はまずタイトルがいい。
いや、この方の小説はいいタイトルのものが本当に多いんですけど、今回もやはりいいですね。
知らなかったんですが、この小説は漫画の原作として書かれた小説だそうです。
小川洋子原作の漫画って、それは漫画として成立するのでしょか?気になりますね。
小川洋子の小説は文章でしか表現できないような物語が多いので、一度どんなものか読んでみたいと思います。
この小説は一つのアーケードを舞台にした連作の短編集です。
主人公はアーケードに住む女性。
父親を亡くしてからは、アーケードに構えるお店の配達係をしている。
このアーケードは
何かの拍子にできた世界の窪み
のような場所。
そこには珍しいものを置いているお店が並んでいます。
レースの切れはし、使用済みの絵葉書、勲章、化石、ドアノブ、などなど。
ここに置いてある品物は、
それを必要としているのが、たとえたった一人だとしても、その1人がたどり着くまで辛抱強く待ち続けている
のです。
アーケードには様々にお客さんがやってきます。
主人公が少女時代に共に過ごした同級生のRちゃんは、とっても読書家です。
主人公の読んでいる本はすでに読破済み。
Rちゃんは百科事典を「あ」から順番に読んでいます。
Rちゃんの目標は百科事典を最後まで読破すること。
”輪っか屋さん”はドーナッツ屋さん。
ここの店主は
一遍の詩が浮かび上がってくるようにドーナッツを作ります。
彼には婚約者がいます。彼女は元オリンピック代表選手で、完璧なポニーテールをしています。
ドアノブ屋さんに置いてあるとっておきはライオンの頭が彫刻されたドアノブ。
店内に取りつけられたドアに取りつけられています。
そのドアの向こうにはほんのわずかな空間があり、主人公は時々そのドアの中へ入ります。
そこは
世界の窪みのようなアーケードに隠された、もう一つの窪み
のようでした。
アーケードに並ぶ店の数々に置いてある不思議な品物の数々がなんだかとてもノスタルジックで、自分もそういうものが欲しいという気分になりました。
それは、他人にとってはガラクタ同然のものでも、自分だけにはとっておきの品物なんだろうなぁ、と考えると自分もそんな自分だけのとっておきの品物が欲しい、と思えます。
そんな、とっておきの品物がきっとこのアーケードでなら手に入るんじゃないかって思えました。
登場する品物が単純に素敵だんぁ、って思えるのが凄いです。
そして、物語も全てどこかせつないものばかりでじんわりきます。
やはり、小川洋子の小説はいいです。
凄く好きです。
基本的にはこの方の小説はハズレなしだと思うので、読んだことないって方はぜひ読んでみてください。
漫画もそのうち読んでみたいと思いました。
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