読書「羊をめぐる冒険(上)(下)」村上春樹 | 渋谷宙希のブログ

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「羊をめぐる冒険(上)(下)」村上春樹
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村上春樹の小説を毎月1冊づつ再読するというのをやっております。


風の歌を聴け」「1973年のピンボールに続いて「羊をめぐる冒険」を読みました。


久しぶりに読みましたがおもしろかったです。



主人公は保険会社のパンフレットで使用した羊の写真をきっかけに、巨大な組織からその写真に写っている羊を探すはめになる。


羊の写真は学生時代の親友だった鼠から送られてきたものだった。


場所は北海道と言うところまではわかっていたので、付き合っている彼女と羊を探しに北海道へ行く。


札幌で宿泊することになった”いるかホテル”には羊博士と呼ばれている人物がいることが判明。


果たして目的の羊を探し出すことができるのだろうか・・・・・



物語だけ書くととても単純な内容ですね。


まず、この小説で言われている噂話としては


三島由紀夫の「夏子の冒険」



という小説を元にしている。


というのがあります。


確かに共通する部分もあるような気がします。


なにより、この物語は三島由紀夫が割腹自殺をした1970年11月25日から始まる。



これはおそらく偶然ではないでしょう。


村上春樹と三島由紀夫って全く違うタイプの作家のような気がしますが、村上春樹は三島由紀夫に対してなにかしら思うところがあるのかな?って思いました。


ちなにみ、僕は三島由紀夫も村上春樹もどちらも凄く好きな作家です。



そして、この小説にはやたらと”名前”に関する発言が多いです。



例えば、小説の冒頭で語られる自殺した女の子のエピソードでは


彼女の名前は忘れてしまった
(中略)
昔、あるところに、誰とでも寝る女ん子がいた。
それが彼女の名前だ。


という。


主人公が飼っている猫に名前が付いていない。というエピソードでは


「ただ存在しているんだよ」


ということを話す。


そして、その猫に


いわし


という名前を付ける。


さらに、船には名前が付いているのに飛行機に名前が付いていないのはなぜか?



というようなことも話している。


この物語の中で名前というのはとても重要なものとして語られているのうに感じた。


物語のラストで莫大なお金で主人公が買うのも名前なのです。


この頃の村上春樹の小説の登場人物はほとんどまともな名前がついていない場合が多い。


名前を出さないことで、その人物の存在が希薄になっているような印象もあります。


そして、物語のラストで


「緑のコードは緑のコードに、赤いコードは赤いコードに」


というシーンがある。


この緑と赤という色は「ノルウェイの森」の表紙になっている色です。



「ノルウェイの森」の装丁は村上春樹本人によるものらしいので、この緑と赤という色の持つ意味というのはそれなりにあるんだろう、と考えるべきですよね。


緑というのは生の象徴で、赤は死の象徴のように見えるのです。


この小説の中には死者がたくさん出てきます。


まるでガルシア・マルケスの「百年の孤独」のように幽霊が普通に出てきます。


生と死の距離がとても近い感じがします。


この物語から「ノルウェイの森」へと続く生と死の距離感というのが面白いなぁ、と思いました。


村上春樹の小説はやっぱり面白いですね。


様々な解釈を読者が自由にして楽しむ小説。


次は「ノルウェイの森」を読もうと思います。

























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