少年は雨が好きであった。
空から水が降ってくるなんて、とっても不思議だ。見ているととてもワクワクするのである。
少年は雨の降る音を聞くのが好きだ。
しとしとしと。
少年は雨が降り出すと窓を開けて雨の音を聞いた。
しとしとしと。
まるで、雨が話しかけてきているみたいだ。
少年は耳をすまして雨の言葉を聞こうとする。
しとしとしと。
しとしとしと。
しとしとしと。
少年の友達はみんな雨の日が嫌いだと言う。少年はそのことがとても悲しい。
みんなも、もっと雨の言葉に耳をかたむけたらいいのに。
少年は雨に語りかける。
僕は雨が大好きだよ。だからもっとお話を聞かせておくれよう。
少年は傘をさして、長靴をはいて外に出る。
雨の中を歩いていると、お魚になって海の中を泳いでるみたいだ。と、少年は思うのである。
水滴が傘に弾く音がまるで音楽のようであった。
とんとんとん。
ぽたぽたぽた。
長靴で水溜を歩く音も加わり合唱のようだ。と、少年は思った。
ぴちゃぴちゃぴちゃ。
とんとんとん。
ぽたぽたぽた。
また、明日も雨が降ればいいのに。
少年は空を見上げて小さく微笑んだ。
