彼がね



じーっと
わちの手元を見て居た。



横目などではなく
顔をしっかりこちらに向けて。


わちの
灰皿を拭く手を。





その日


井関さんが

社員喫煙所の
灰を回収しに行き掛けて


戻ってきたの。




ニッコニコしながら


「羽尼-ウニ-さん、彼、来てるわよ
いっといで。」

と。





わちは
小鹿のように飛び跳ねながら


井関さんから
灰皿回収セットを受け取り


彼の元へ。






彼は
必ず顔を見て


「お疲れのさまです」

と言ってくれる。




いつも
何故か


彼が珈琲缶を飲み干す瞬間にわちは


「お疲れ様です」

と声をかけてしまい





彼は
アゴをあげて飲み干しながら
わちと目を合わせ


コクンと頭を下げるんだ。





そんなときに
頭など下げなくても
いいのに…(笑)








だいぶ前


彼の所属のサイバーの

トイレ掃除だったとき




わちは
ルンルンで


掃除しながら
独り妄想していた。





もしも仮に
逆の立場で


わちがサイバーの人間で

気になる人がお掃除に来てたら




わちは用もないのに
何度も手を洗いに来てしまうよな~ドキドキ


なんてニアニアしてると





「すいません、ちょっと手、いいですか」



背後から声を掛けられた。





彼だった。


ぎょ~っと思いつつ




どうぞ~


言った。







清掃が終わって戻ると


「洗面台の鏡に水垢が残ってるよ」

とチーフに言われたんで






わちは再度
サイバーに行き


鏡を下から覗きこみながら
拭きあげていた。




誰かがわちの後ろを通り、


すぐ脇の洗面台に
手を洗いに行ったのが
鏡に映った。





彼だったりして~(´∀`)


とか思って居ると




帰りにその人は




チラと

わちの後ろ姿を
一瞬立ち止まり


見て行った。







鏡に映ったのは
彼だったんだ。







なんで立ち止まったんだろ




その
ちょっと挙動不信な
彼の行動が



わちにはまた
萌ゆるんだな(〃∀〃)









とゆう前提の元で





灰皿を拭く

わちの手元をね



彼がじーっと
微動だにせず見つめているもんで







本当ならわちは


彼の胸元の社員IDカードを見て

名前を確認

したいところなんだが




その至近距離では
どうにも

わちも


作業する自分の手元から

目が離せないでいた。







何か
話し掛けられるんだろか。



とドキドキしていると



彼が口を開いた。













一緒に煙草を吸いながら
話していた人への

言葉だった。



話聞きながら

ぼーっと見つめてただけ
かいっ!



紛らわしい事すんな~っ










けどまあ


彼は
わちに対して

なんの警戒もしてないからこそ


わちの手を

ぼーっと見ていたんだろうことに

安堵したら





心んなかで
吹き出した。









どこまでも
萌ゆる男だ~


(〃∀〃)