Plastic cherry -19ページ目

moonlight and roses-8


しばらく話をして、帰ろうかってなった。


帰り道、自分は何がしたくて

何ができるのか、すんなり分かった。


あたしは綺麗な感情がないと枯れてしまう。

そして衝動的自分を抑えると、苦しくなっちゃう。


これらは絶対に必要。


次に自分は何ができるのか。


あたしは綺麗を見抜く事ができる。



あの子のあの表情も

あの子のあの言葉も

あの子のあの指の細さも

あの子のあの笑い方も


大切。



そこを愛してるって事が

自分にも相手にも何かに繋がるんだなって

彼を後ろから抱きしめながら

分かった。




最近は毎日、アルピとピアノを弾いてる。




Plastic cherry




すごく感動するよ。


moonlight and roses-7


cofeeを飲んでいる時でさえ、

彼と同じ家に住んでいる事を忘れる。

いい意味で慣れない。


外で煙草を二人吸っていると音楽が流れてた。

ゆったりした、優しいメロディ。


“あたしたち、一緒に暮らせてるんだから

生活の仕方なんてあたしたちで決められるもんね。

こうやってこれからも、人生を二人で感じていきたいね”とあたしが言った。


彼は、“また行こう。今度は西へ行こう”と力強く言ってくれた。




Plastic cherry



もう帰るのかな。寂しいな。

もう少しどこかへ行きたいな。


そう思っていると、少し寒いでしょって言って、

彼はつけていたマフラーを外してあたしにまいてくれた。



家と逆の道にまた、走り出した。



磐田から袋井へ向かう電車を見ると、

そこから別世界へ行くようなそんな気持ちになる。


学生の頃何度か電車で寝過ごしたこととか

小さく浮かんだ。


あたしは、あの電車が磐田を越えると

トトロの世界にいってしまうっていつも思うの。

オレンジ色の光を見ると、

ここもあそこも色んな人との想いでに詰まった場所だって

いつも以上に心に響いた。



Plastic cherry


Plastic cherry




もしかして海むかってくれてる?

道ですぐ分かった。



Plastic cherry



バイクを停めて、話をした。


今日は波の音が静かだねって。


月明かりが海の水に反射して光はそれしかなくて

いつもなら水にのみこまれそうになるのに

その感覚にはならなかった。



彼と海を見たのはこの日が初めてだった。


moonlight and roses-6


月が輝く晩、あたし達は静寂を駈けぬけた。



Plastic cherry




途中、自転車の二人のりをしている人がいて

それが前の会社の人で驚いた。


月に向かってただただ、ひたすらに走った。



バイク、あたし乗り物で一番好き。


ダーリンに乗せてもらうのも、

19の時自分で乗ってたのも、大好きだった。

一人で海へ向かって、ただ波を眺める。


それがどんなにあたしとって大事だったか。


ああ、壊れちゃって手放しちゃったけど

またバイクを買おう。

衝動的な時はとにかくあの遅さと速さの混同した感覚を味わいたくなる。



そんな感覚でいると、感動する位

花の香りに包まれた環境にいることを実感した。

つつじの香りがね、漂ってたの!

これって車だったら絶対に気がつかない。

窓を開けて走っても多分、車だと気がつかない。



信号に止まるとアルピが、

“花の匂い…すごいね。

普段気がつかないけどこんなに香ってるんだね

なんか、いいね。”


って言った。

あたしも言おうかなって思った矢先だったから、

嬉しくてぎゅっと彼の身体を掴んだ。


見なれた景色も、

移動手段一つ変わるだけで随分違うく見える。

それは手段だけではなくて、

誰と見るか一つで、変わる。


しばらく走ると彼が、

温かいcofeeでも飲もうかって誘ってくれた。



Plastic cherry



カフェラテを飲む彼。


いつもはブラックで飲むcofeeに

この日あたしは少しミルクを入れた。


cofeeとミルクが溶けあって

優しい色に変わるのをマドラーで混ぜながら

洗濯機を想像していた。



moonlight and roses-5


アルピと悲しい晩餐を過ごした次の日の夜、

仕事から帰った彼にバイクデートをしよう、

好きなところ連れていってあげるって誘われた。


アルピって本当、

どうしようもないあたしをひっぱってくれる。

どうしようもない時にもきちんと接してくれる。


今まで風のように心地よい人だと思ってたけど、

この日初めて嗚呼、彼は大地の人だって思った。


アルピの目線は力強い優しさがあるね。

あたしは彼がどうしようもない時

何かできてるのかなってなんだか申し訳ない気持ちになった。



伝えると彼は、

“ちゃおぴがただ傍にいてくれるだけで、人生が変わるんだよ。”

って言った。



こんなどうしようもなくて、

いつも衝動を抱えて不安定で、

理解されにくい表情一つにつっこむあたしを

包んでくれるのはこの人だけだって毎回思う。


普通にふられますからね、こんなあたし。

又は喧嘩になるね!何言いだした?意味分かんない!

それか救えない。って諦められる。


今まで誰かと付き合っても、困らせる事多かった。

だからいつも一人で安定して大丈夫、何事もなかった^^

ってこっそり必死にモチベーション上げてたな。

それでも爆発するのが多くて、

一緒にいると重いって言われたりしたこともある。


はあ?だし!ぷんすか!


だから今まで守りたいって思える子が好きだった。

儚い子が好きだった。


逆に、真っ向勝負な人が苦手だった。

ま、押しつけじゃなくても押しつけに感じる人といるのは苦手。

それ違う!って表面的態度で言われるのやーだもん!

芯って難しいなあ。優しさとか導きって難しいなあ。


とにかくね、世間的に良いと思われてる行為のみ=正解=哲学

とかって絶対違う!それって知識に逃げただけじゃない?

それって形式にこだわるだけの感情じゃない?

いいと言われてるから“いい”じゃない?


なぜその事柄に“いい”と自分が感じているか

それが大事なんだよ。


そもそも、世間的風潮に対して何も感じず

あたりまえに過ごしている人間が多すぎる。

あ!ちなみにあれだよ!

一個一個理由なきゃ嫌だね!

って言う頭ガチガチで言ってるんじゃない。



とらわれるのは違う気がしない?

違う角度から見るとこんなにも見え方が違うんだよって事を

言いたい。生き方は自由だけど。



何にも縛られる事なんてないんだよって言いたい。


とか言いながら変態的意味合いでは、

精神的縛りをされてみたいとも最近思ったり(笑)



ああ、そんなに縛られずに

今日という一日も素敵に過ごせますように

って願ってるだけなの。


moonlight and roses-4


アルピと話した。


いつかどっちかが押しつぶされたり、

離れてしまったり、見えなくなったりすることも

ないなんて言えないよね。

何が起こるかなんて分からないからね。って。


まあでもあたし達、運命の人ではないからね。

逆に大丈夫じゃないかな。


絡み合った紐の先がほつれる事のない関係があたしとアルピ。


それって運命なんじゃないの?

って感じに思えるかもしれないけど

あたしには何か違う。




あたしにはずっと、運命の人がいます。



“運命=正解”ってわけでもないんだよ。

ま、一緒にいられたらいられたらで、いいけど。



運命の人とはもう何度すれ違って、

何度結び直して、一緒にいたんだろうね。


月光に照らされた愛しい人の美しさを

初めて知ったのはあの人といたから。

長い間隣で季節や一日を感じてきた人。


初めて全世界の人全員敵にまわしても

あたしは彼の隣にいるって思った人。



沢山絡まって、その絡まりをほどこうともがいて、

ほどけた先が結ばれていなかった。


運命じゃないじゃんって?

結ばれるから運命なのかね?

それって簡単すぎない?


あたしはきっと人生の幕を閉じる時、

彼との運命に落ちながら眠るでしょう。

それだけで充分なのよ、あたしと彼は。

(ちなみにお葬式で後悔するのはこの人との関係じゃない)


優しく手を握るのはアルピなんだから。



まあ、運命について感じたければ映画を見よ!


あたし的運命part1


-The Butterfly Effect-


カオスカ学系において、

通常なら無視できると思われるような極めて小さな差が、

やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す。

カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつ、

あるいは比喩である。




Plastic cherry



ヒロインが本当に可愛くないから残念だし、

子供の頃の描写が本気で怖いからびびりながら見なきゃいけないけど

引きこまれる。

映画って観るタイミングもすっごい大事だから

その時々の見え方って違うと思うんだけど、

あたしは最初これを観た時は号泣した。


運命ってどうしてこんなに…。って。


語りたい。しかし観て欲しい!

ここで語っていいのか分からなくなってきた!

ネタバレにもなってしまうじゃん?


とにかく、運命です。

運命を知りたい時にご覧あれ。



あたし的運命part2


-Vanilla Sky-



Plastic cherry




これ本当いいから!!!!!!!!!!!!

アルピと同じ休日の朝は必ず“open your eyes”って起こすの。


あたしはね、キャメロンの役が好きだな。

いつものキャメロンの表情と全然違って、

この人演技上手いんだなーって初めて思った。


この役は蛇のような女。

キャメロンにとっての運命がトムクルーズっていうのが伝わる。

でもトムクルーズにとっての運命は…って感じ。


キャメロンの怖さと感情が

観たあとにも自分の中、埋めいた。