酸化還元電位(ORP)からみた植物マグマの現代社会に対する驚くべき貢献度

 私は1994年にプレジデント社から酸化と還元を題材にした「長生き食品・早死に食品」という本を書きました。


 酸化とは物質が酸素を受け取る化学反応のことで、サビるとか、体に悪いようなイメージでみられ、還元とは物質が酸素を失う化学反応のことで、サビが取れるとか、サビない状態のイメージなので、体に良いというように捉えられています。(図1参照)

 

図1 10円玉の酸化と還元


この考え方は当時も今もあまり変わってはいないようです。むしろ、今の方が還元力の花形である水素の製造方法が容易になり、手軽に手に入るようになったことから、水素が過大に評価されているようにも思います。病気が劇的に改善するのなら、もっと研究がなされ、結果が出ているはずなのですが、医療データはあまり出ていないように思われます。あるいは医学会や製薬業界が無視しているという意見もあります。

 私が「長生き食品・早死に食品」の中で世に伝えたかったことは、自分たちの身の回りのものを酸化還元電位(ORP)という酸化と還元の物差しを用いて広く測定し、体に悪く作用をするものをできるだけ遠ざけ、良いものは積極的に取り入れたりするための指標という意図で発表させていただきました。
酸化還元電位がプラスの数値が高いほど酸化させる力が強く、その代表例が酸素分子O2で、プラス815mV、反対にマイナスの数値が高いほど物質を還元する力が強く、その代表例が水素分子H2でマイナス420mVです。

 図2、図3を見てわかるように私たちの生活圏にある大半の物質は酸素と水素の酸化還元電位の間に入っていますが、酸素に近い数値を示せば、酸化力が強く、水素に近づけば還元力が強いということになります。


図2 酸化力と還元力の物差し


図3 主な食べ物、水などの酸化力と還元力


純水は酸素と水素の化合物ですから酸化還元電位は酸素と水素の中間のプラス200mV程度で、酸化でも還元でもないレベルにあるといえます。
前述したように私は様々な物質の酸化還元電位を測定することによって酸化力の強いものはあまり体内に取り入れないようにするための意味でしたが、それにはあまり注意をひかず、注目されたのは還元力の力で、それも水素にかなり限定され、水素を摂取すれば体が還元することで疾病が改善するなどの表現が目につき、それは現在も続いています。

 また、私は本書を書くにあたって様々な物質のORP値を測定しましたが、水素に近い還元力をもつ物質が非常に少ないのにもびっくりしました。大根や人参、葉物野菜などと、レバーや腸、胃などの内蔵物が高い還元力を示したくらいでした。野菜の中でも生野菜は高い還元力を示しますが、熱をかけると酸化還元電位は酸化の方向に向かっていきます。ただし、数種類の野菜を混ぜて煮込んだ汁などは還元力が少し良くなっています。内蔵物も熱を加えると還元力は低下しますが、野菜ほどではないようです。また、人工的に作ったアルカリイオン水や水素水は作った当初は高い還元力を示しますが、時間の経過と共に低下してしまいます。つまり、還元力の多くは熱を加えたり、空気中に放置しておくことで酸素と結合して、還元力はどんどん低下していくことがわかりました。

 では、私が開発した植物マグマの酸化還元電位(ORP)はどの位かといいますと、0からマイナス600位に示されていますが、さらに高い還元力を作ろうと思えば出来ますが、高いからといってそれが何の意味をもつのかが今の自分ではわからないので、電位計の実測値でマイナス600位までにとどめています。前述しましたが、通常、酸化還元電位は時間と共に空気中の酸素によって酸化されていくので、図4にみるように酸素の数値(プラス815mV)に近づいていきますので、還元力がいくら高くても、それを長期間維持させていくのは難しいのが一般的だといわれています。


図4 食品の時間経過によるORP値の変動

 

また、マイナスのORP値を示すものはあまり多く存在していないのも事実です。そうした背景から見て植物マグマの還元力は桁外れであること。しかもその数値が何年も変化しないということは強い還元元素体から強い酸化元素体までの多数の混合元素体なので、酸化にも還元にも大きく変化しないので、ORP値が変化しない現象は当然のことであり、自分では驚くべきことではないと思っています。
試しに、大根おろしを作って時間経過による酸化還元電位(ORP)値を測定してみました。(表1参照)
大根おろしそのままでは、おろした当初は-200mV、12時間後は-133mV、2日後は14mVと還元力は低下を続けていました。次に、大根おろしに水を加えた大根おろし水溶液は作った当初は  -116mV、12時間後は-230mV、2日後は-417mV、3日後は-76mV、4日後は67mVでした。これより大根おろしだけですと数日間で還元力はどんどん低下しますが、大根おろしに水を加えますと逆に還元力が時間と共に増え続けましたが、3日後から急激に低下しました。


 

「長生き食品・早死に食品」では、韓国で作られた黄松竹という焼き塩がマイナス300mV位の数値を示したことを書きましたが、どこまでいっても塩ですから、食べるということでは摂りすぎることはかえってマイナスになってしまいますので、使用は限定されてしまいます。
その点、植物マグマは生活全般に使われていますので、酸化還元電位の数値からみて長期間変化しない性質と生体に有害作用がないことは現代生活において有用性の高い極めて稀な物質であると考えられます。


 地球上に酸素がある限り、物質の酸化を止めることは不可能といわざるを得ません。人間も酸化し、老化し、死を迎えるわけですが、超還元力を備え、しかもそれが劣化しないとなると、これを体内に入れたり、塗布したりすることで、生体も劣化しにくい体を手に入れることができる可能性が高まるのではないかという推理が生じるのは当然の成り行きであり、現実的であると考えます。
私が「長生き食品・早死に食品」を書いたのは植物マグマを開発する4年程前のことでしたが、この時に黄松竹という高還元力の塩に出会いました。この高還元力の塩を食べてみて、体内の酸化還元電位がどうなるかについて、非常に興味がわいていたので、私ともう1人(女性)の2名について一定期間、尿中のORP値と溶存酸素濃度(DO濃度)を測定してみました。その結果を図5、図6に示しました。図5の女性の方は当初、尿中のORP値もDO濃度も高い酸化レベルにありましたが、ORP値は1週間後から還元方向に数値が変化し、1ヶ月後にはさらに高い還元レベルにシフトされていきました。一方、DO濃度は1ヶ月後にORP値と同様に還元レベルを示すように低下していきました。

 

図5 小林とみえさんの還元食品(黄松竹)摂取前後の尿中ORP値・DO濃度


図6 中山栄基の還元食品(黄松竹)摂取による尿中ORP値・DO濃度(49歳 1994年)


私の場合は女性に比べてORP値もDO濃度も低いレベルで還元状態にありましたが、深酒をすると尿中ORP値もDO濃度も高くなり酸化レベルになりましたが、時間の経過と共に低くなり、激しい運動をした時もDO濃度は上昇しましたが、その後も時間の経過で低下しました。
また、高還元力の塩を摂取している人100名と摂取していない人135人の尿中のORP値とDO濃度を調べましたところ、高還元力の塩を摂取している人の方がORP値もDO濃度も低い、つまり還元方向に数値がシフトしていることがわかりました。

図7 黄松竹を摂取していない一般人と摂取者の尿中ORP値・DO濃度の比較


 これらのデータから、植物マグマを摂取すれば間違いなく尿中のORP値、DO濃度は低下し、高還元力を示すと思います。
植物マグマの摂取によって動物実験ではもともと免疫力の高い動物には免疫に変化は見られませんでしたが、免疫力が低い動物は高い免疫レベルにシフトしました。

また、毒物を与え、腸内細菌のバランスを崩し酸化状態に陥らせて、死に至らせる動物実験を行い、植物マグマを摂取させない動物は脂肪したが、植物マグマを投与した動物は、すぐに腸内細菌のバランスが正常状態に戻ると共に死に至らずに生存しました。
つまり、強烈な酸化防止作用が働くことで腸内細菌のバランスをスピーディーに正常化された結果、生命の危機を脱することができたと推察しました。

 つまり、植物マグマを摂取することによって白血球数とその百分率のバランスを正常化させることで、生体の司令塔は最大限の力を発揮させることが可能となることで、生体は正常な健康活動をすることができます。つまり、野生動物に備わっているような自然免疫が少しでも備わることで私たちはさまざまな現代病に立ち向かえる体づくりが可能になるのではないかと考えました。それはあたかも植物が意思を持って生育するのと同じような状況が植物マグマの摂取によって動物や人間にも生じているのではないかと酸化還元電位のデータから感じました。

 私は植物マグマの製造工程において高い還元力を有することもできますが、それほど高くない植物マグマも作ることができます。ただし、0 〜 -300mVレベルの酸化還元電位の植物マグマでも腸内細菌のバランスを正常化できますし、低い免疫バランスの動物を高くすることも可能です。しかし、そんなことよりも私は植物マグマは自分の持っているORP値、特に高い還元力を維持できる強力な力を保持していることの方がすごさを感じました。
その理由は、図8、図9に示した植物マグマ原末と水溶性植物マグマ粉末の元素分布が高還元力から高酸化力を示すものまで存在していることで、一度得られたORP値が少々の酸化力ではくずれない状態になっているのではないかと推理されます。


図8 植物マグマ原末の元素分析結果


図9 水溶性植物マグマ粉末の元素分析結果

 

 

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