失敗や敗北はいやなことで、避けて通りたい。できれば、成功したい。勝利を手にしたいとは誰しもが想うことである。また、上手くいくと、それが継続していくことを願う。成功や勝利が続くと、必ずといっていいほど、傲慢になり、驕りが生じる。それだけでなく、失敗しないような策を弄したり、腹を据えてかからずに、小手先だけで行うようになるのが、世の常である。

 

 私は様々な物理化学的環境、生物学的環境が生命体に与える有害作用の有無を調査する仕事を30年近く実践してきましたが、どんなに有害性が示されても、文明社会に役に立つことが示されれば、あるいは利益をもたらすものならば、製造や使用を中止することは行われずに、世の中で使用されているのが現状である。

 

 人間はこれまで、何百万種類という化学物質を開発、製造してまいりましたが、生態系に有害作用を与えることで、製造、使用が禁止になった化学物質はいったいどれ位、あるだろうか。おそらく、100種類にも満たないものであろう。人類は自然界の中で生命活動はしているものの、私たち現代人は自分が創った人工的な環境の中で生命活動をどんどん押し続けて、もはや、後戻りは出来ないレベルまできてしまった。

 

 現代人に蔓延する癌や心臓病、脳血管系障害、糖尿病、アトピーなどの様々な現代病は私たちがつくった人工病であり、野生動物たちには、ほとんど起こっていないということです。それ故、私は野生動物たちの食習慣をしっかりと取り入れていけば、現代病を克服する解決の突破口になるのではと考え、野生動物が主として食べている野生植物に着目して、有機物を取り除いた植物ミネラル、植物マグマを開発した。その成果を2002年、「自分の体は自分で治せる」(風雲舎)にまとめたが、内容は上々の滑り出しであった。

 

 しかし、私は植物ミネラルを開発してから、おおよそ25年になるが、良い結果だけを強調してきてはいなかったか、悪い結果は示してきただろうか! 私は今になって、冒頭の表題「失敗は失敗であるが、失敗にあらず」の重みを感じています。

 

 失敗することは確かに失敗であるが、成果への第一歩での失敗でもあるから、失敗とはいえない。私はこれから、今まで自分が発表した結果について、深く精査し、考察して、再度、皆様に提出して、評価を受けたいと考えています。

 

 最初に取り上げていくのは、「自分の体は自分で治せる」の中で発表した結果についての精査の内容を示していきます。

 

 

「自分の体は自分で治せる」 風雲舎