「空とぶ自転車」売り切れました。
「空とぶ自転車」と言うタイトルを見るといつも、「E.T.」を思い出します。エリオットの自転車の前カゴに入ってたE.T.……。自転車をこぐとどんどん空に舞い上がっていったシーン。
そして、この本の表紙を見ると、志方あきこさんの「空の茜空の蒼」と言う曲を思い出します。
なんだか、ノスタルジックなイメージなのです。
子供の頃、自転車は唯一自由に使える移動手段でした。
前かごにお気に入りのバッグ。
バッグの中には、ハンカチやティッシュと言った当たり前のものに始まり、おやつや、好きな本や、メモ帳。
……ハンカチ&ティッシュとおやつ以外は、さして重要性のないものばかりなのですが、あの当時の自分には必須アイテムだったのです。
私はいつまでもぬいぐるみ離れできない子供だったので、割と大きくなるまでバッグの中には必ずと言っていいほど、ぬいぐるみが入っていました。
文句も言わず説教もせず門限もない、ひたすらどこまでも付いて来てくれる唯一無二の友だったのです。
大人になって……と言うか、免許を取ってから自転車に乗ることがなくなりました。今ではちゃんと乗れるのかさえ危ぶまれます。
通勤の途中など、自転車で軽快に車を追い抜いて行く自転車は、本当に気分爽快そうに見えます。……実際は、夏は暑いし冬は寒いし、毎日排気ガスやら花粉にまみれて不快極まりないのかも知れませんが。
時々、子供の頃に戻って宛てもなくどんどん走ってみたくなります。
本当は、あの頃は気付かなかったのかも知れないけれど、ほんのちょっと、地を離れて浮いていたのかも知れません。
青い空も、爽やかな風も、夕暮れの空も、一番星も。
あの頃は、今よりももっと純粋に、身近に季節を感じていたような気がします。