最近、外国語学習熱の高まりもあって、子供に外国語を学ばせたいと思う親が増えているようですね。
先日、とある方のブログで「友人(→日本人だと思われます)の子供がインドと中国のインターナショナルスクールに入学した」と書いていらっしゃったのをきっかけに、私の意見を述べてみたいと思います。
まず簡単に結論を申し上げると、
外国語の学習自体は良いことだと思うのですが、
母国語(日本人なら日本語)で将来仕事ができるレベルにすることが先決
ちなみに日本に住んでいても、インターナショナルスクールに通うと、
大人になった時、仕事で使える日本語レベルにはならないようです。
私の同僚が、日本にある欧米系インターナショナルスクールにずっと通っていた日本人の方にお会いしたそうなのですが、その方は自分のことを「(日本人の)失敗作だ」と言っていたそう。
インターに通っていたので、もちろん英語はペラペラらしいのですが、
日本語の読み書きは苦手だそうです。
(仕事で使えるレベルというのは、読み書きができるレベルのことをここでは指します)
なぜ母国語が重要なのか?
理由はたくさんあるのですが、今日は理由その1について。
理由その1:母国語をしっかり勉強した方が、第2外国語習得能力が高まる
母国語の重要性は最近外国でも認識されているようで、フランクフルトインターナショナルスクールのウェブサイトにこんなことが書かれていました。
「多くのリサーチ結果は、『第一言語を通して習得した技術(能力)は、第2外国語学習時に利用される』ことを証明している。例えば、あなたの子供(韓国人の場合)が韓国語で読解能力を身に付けた場合、それは英語読解時にも発揮される。
(読解における一つの大切な技術は、知らない単語の意味を文脈から推測することである。もう一つの技術は辞書を引くべき重要な単語はどれか、無視してもさし障りのない単語はどれか、を推測することだ)。
同様に、作文や相手を説得させるような文章を書く技術は、第1言語で学んだ後、第2言語に応用される。
(中略)
あなたのお子さん母国語の学習を継続すると、英語学習にもより効果があります。」
(http://esl.fis.edu/parents/advice/intro.htm より。 訳:Chie@Kenya)
また、よく言われていますが、「第2言語能力は、(その人の)第1言語能力以上にはならない」ということ。
確かにその通りだと思います。
第2言語が母国語より上手い人、私は出会ったことがありません。
ということは、第2言語能力を高めたい場合、まず母国語能力を高める必要があるということですね。