服部半蔵ら伊賀忍者で知られる三重県伊賀市で今秋、「伊賀流手裏剣打(うち)選手権大会」が初めて開かれる。文献などを基に公式ルールを定めた本格的な大会。参加者は忍者装束をまとい、「敵への備え」のため、手裏剣1枚を残して競技を終えるなど、実際の忍者さながらに手裏剣投げの技を競う。

 同市で忍者の資料展示やショーをしている伊賀流忍者博物館が企画。手裏剣投げを武術として位置付け、スポーツとしても広めたいと発案した。

 大会では、投げる前に指を組み、「九字」を切って神仏の加護を祈る。手裏剣は6枚持ち、男性は6メートル、女性は5メートル離れた的(直径30センチ)に5回投げ、合計点だけでなく、動作の美しさや個性、風格も採点対象となる。

 参加資格は中学生以上で、優勝者には純金(10万円相当)、2位には純銀(3万5000円相当)の手裏剣を贈る。9月に2回の予選を実施、10月4日に20人で本選を行う。博物館(0595・23・0311)の中川清子館長は「2回目以降は伊賀に限らず、全国で開催したい。腕に覚えのある人の参加を求めます」と話している。

毎日新聞 2009年6月8日