◇宇陀川、名張川、ため池でも
 農作物への被害が指摘されている特定外来生物・ヌートリアが名張市で急増している。農林振興室は「京都方面の木津川から上ってきて繁殖している可能性がある」と話している。同様に急増しているアライグマとともに市は「防除実施計画」を策定、対策に乗り出した。【宮地佳那子】

 ヌートリア(海狸鼠(かいりねずみ)、沼狸(しょうり、ぬまたぬき)、Myocastor coypus)は水辺に生息するドブネズミに似た、ほ乳類で、稲科の植物やニンジン、ジャガイモなどを食べる。04年に同市安部田の宇陀川で目撃されて以来、繁殖を続け、昨年には名張川全域に生息域が拡大。今年に入り、ため池や用水路でも発見された。

 農業被害防止のため、06年に狩猟免許を持った人らが15頭を捕獲。07、08年は30頭以上捕獲された。防護ネット使用など予防策もあるが、猿などに比べ体長が40~60センチと小さく、ネットのすき間や土中に潜って侵入することもあるといい、同室は被害の低減は難しいとしている。

 先月策定された実施計画では、講習を受け、捕獲従事者に登録されれば、狩猟免許がなくても自ら箱檻(おり)を設置し、捕獲できることになった。計画の実施期間は11年3月末まで。以降、生息状況などを見ながら計画の見直しを行う。

〔毎日新聞 2009年6月18日 伊賀版 内容を一部補足すみ〕


プラツリ社員のブログ-ヌートリア


ヌートリアは、南アメリカを原産地とするが、毛皮を取るために移入したものが野生化し、現在、北アメリカ、ヨーロッパ、日本を含むアジアに帰化して分布する。イネやオオムギ、葉野菜などに対する食害のほか、絶滅危惧種に指定されているベッコウトンボの生息地を壊滅させるなど、在来種の生態系への影響も深刻である。さらに、本種の巣穴は複雑に入り組んでいて深く、水田の畦が破壊される原因にもなっている。
日本への導入は毛皮採取であったが、終戦後、毛皮の需要が激減したことに伴い、その多くが野外に放逐された。
人間のエゴが生み出した可哀想な動物です。


情報提供は、地域密着IT企業のプラネット・ツリー です。