(夜になると意識がクリアーになり、根気が出やすくなるのは、やはり日中の大気に、何か自分にとって良くないものが含まれているせいなのかもしれない)

 

 さて本題。

 実情をご存じのかたには、ネタバレしている、というか、「どうせそういうことヤロ?」と思われていると理解している、が、書く。

 

 コロナ禍になって、通うマッサージ店を変えた。前に通っていた感染症対策が不充分に感じられるからだ。今通っている店は全国チェーンということもあってか、安心して施術を受けられる、と思う。

 前に通っていた店では、個人指名料は一律300円だった。今の店はほとんどの先生が200円だ。しかし今の店では、性別指名しかしていない。わたしの場合はコリが異様にヒドく、前の店では女性の先生から、「指名せんといて!」とまで言われていた(苦笑 文章もヒドい)。だから今の店では男性指名をしている。性別による指名料は、前の店でも今の店でも、どちらも100円だ。前の店では先生の技術にずい分違いがあると感じていたから、個人指名をよくしていた。だけど今の店は、男性指名とだけ言って施術をしてもらっても、不満を感じたことは一度もない。

 前の店より今の店のほうが、基本料金が高い。だけど、前の店の個人指名と、今の店の男性指名とで料金を比べたら、今の店のほうが100円ほど高いだけになる。それで効くのだから、価値はあると感じている。何より感染症リスクが100円で避けられるなら儲けものである。

 

 ところで。

『笑点特大号』に、若手大喜利というコーナーが、ときどきある。(毎週放映して欲しいのだけれど)

 その若手大喜利に、昔昔亭(せきせきてい)喜太郎(きたろう)さんという噺家さんがいらっしゃる。若手大喜利メンバーの中ではおとなしく、自称「キモ可愛いキャラ」なのだけど、わたしは喜太郎さんに一番好感を持っている(複文)。今、TwitterとInstagramとで、喜太郎さんとは相互フォローをしている! Twitterはともかく、Instagramは友だち限定公開にしているから、遠慮なくブチャイクな顔をupしているけれど、喜太郎さんにはそれまで見られてしまうわけだ(複文)。とは言え喜太郎さんはたくさんの人をフォローされているから、わたしの顔まではご覧にならなさそうだ。それに「チャーリー」という名前なので、男性と思われているかもしれない。まあいい。

 わたしが初めて最近通っているマッサージ店で施術してもらった男性の先生が、その、喜太郎さんと似ているのだ。

 その先生に4度目くらいの施術をしてもらったときに、喜太郎さんのことをご存じか、尋ねてみた。ご存じでなく、「あとで調べますワ」という返事が来た。「これは聞き流しただけヤナ」という予感がした。だから帰り際、Instagramをひらき、喜太郎さんのお写真をその先生に見せた。

「目が一緒ですやん!」

 先生は笑っていた。

 その次の施術も「喜太郎先生」で。喜太郎先生はあのあと、ご自身でも喜太郎さんを調べてくださっていた。

「見ればみるほど似てますワ!」

 ということになった。それ以来わたしはその先生を、当然のように、「喜太郎先生」とお呼びしている♪

 

 というように、最近はマッサージ店へ、男性指名で通っている。喜太郎先生に当たることが多いのだけれど、このあいだ、初めての先生に当たった(複文)。

 マッサージ店はリラクゼーションのための場所で、店内では眠っているお客さんがいるほどだ(複文 意味不明)。「いつでもどこでも不眠症」が自慢のわたしでも、ときには眠ることがある。

 しかしその、初めて当たった先生との60分は、まるでプロレスのようだった!

 こっている箇所を、「破壊」していくのである。

 わたしにはこっている場所があちこちにあるから、60分間ずっと叫んだり、喚いたりしっぱなしだった。ほかのお客さんの迷惑になるんじゃないかと遠慮したかったけれど、痛いんだから仕方がない。

 途中、

「先生、お手柔らかにお願いします」

 と言ったら、

「オトコを見せてくれ!」

 と返された。一応オナゴなのですが。

 挙げ句、腕をほぐすとき、

「お金に細かいね。でもときどき衝動買いするね。理系やね。霊感がちょっとあるね」

 と、手相を見始めた。

 わたしは結婚線が2本あることだけは知っていたからそれについて伝えると、

「長いほうで見るねん。でもこれ、消えかかってるで」

 と……手痛いことを言われた(複文)。

 

 帰宅してからその店のアプリをひらいた。その日担当してくれた先生について調べた。なんと! 指名料500円の先生だった!! 400円、トクした気分になった。施術も上手かったから、嬉しかった。(語尾×)

 

 そしてきのう。またマッサージへ行った。担当は「喜太郎先生」だった。この店は感染症対策として、施術以外の会話は極力しないことになっている。しかし、喜太郎先生に、前の先生がスゴかったよと、言わずにはいられず、雑談を始めた。

 すると。

「あの人変わってるでしょ?」

 と。

 わたしは、自分の変わっているし、周りに変わった人がたくさんいるので、変わった人にはなれているから、それほど違和感はなかった、と答えた。

「あの人、入る1時間くらい前にいきなりシフト入れるんですよ。月に1回くらいしかこの店には来ないんですよ」

 そう言えば、このチェーン店だけで15店は入っていると言っていたなと思い出す。

「あの人の扱いかたは、スタッフもよくわからへんのですよ」

 喜太郎先生はいつになく饒舌だった。

「でもあの先生、指名料500円なんですね」

 わたしは指名料は店の査定かなんかで決まると思っていたのだ。

「え。そうなんですか」

 喜太郎先生は驚く。

 指名料は、自己申告制なのだそうだ、ということを、わたしは知らなかった。

「よその店では1,000円付けてる人もおるらしいですよ」

 スゴい自信やなぁと感心する。喜太郎先生の指名料は、ほかの先生と同じで、200円だ。喜太郎先生のマッサージは、親切でやさしい。きのうは帰り際に、家でできるストレッチを教えてくれた。

 

 なんか、前回トクした気分になって浮かれていたのに、からくりを知って、少しがっかりした。

 だけど、また機会があれば、プロレスマッサージをまた受けてみたいと思う。500円の指名はしないけれど。