記;20,08,03

 

 梅雨で「電波障害」に陥っていたものの、ことしはこの期間、自分にしては珍しく、何冊か読書をすることができた。しかし、如何せん「電波障害」、根気がつづかず、読みやすいものしか読むことができなかった。幸か不幸か、自分は「いつでもどこでも不眠症」が唯一の取り柄(?)なので、本を読みながら眠ってしまうということは、ほぼなかった。

 今回の読書で気に入ったのは、江戸川乱歩! 我ながら古いなぁと思う。しかし、乱歩の文章は、自分にとっては読点を打つ位置とか、使っていることばなど、あまり古びていないように感じられた。

 また、明治時代の小説家が書いたホラー小説を集めたアンソロジーを読んだ。こちらは大学時代に一度読んだものだった。が、今読み返してみて、正直がっかりした。乱歩とは逆に、読点が少なく、一文が長い作品が多かった。夏目漱石に至っては、

「この段落どこまでつづくん!?」

 とうんざりし、元々漱石は好かなかったが、ますます嫌いになった。

 なので、あまり「美味しい」文章には出会うことができず、よって、自分の文章にも――今書いていても痛感するが――良い影響は受けていない。

 今月末が締切の中編と、自分の中の締切が、やはり今月末の長編と、二つの仕上げをしなければならない。それに向かう前に、こうしてちゃんとoutputをしておいて、「心の換気扇」を掃除しておかなければ、あるかなきかの全ての実力が発揮されないものを投稿してしまいそうで、いささか怖い。

 自分の収入についても考えた。四〇代半ばでこの収入は、アカンすぎる、ということに、今さらながら気づいた。自分にできることは、拙い小説を書くことと、占いだけだ。今のところ占いのほうがまだ、収入には近そうだ。

 が、そちらの就職活動は、長編を完成させてからにしようと考えている。長編を投稿することが、謂わば「第一志望」の企業への就職活動なのだ。