2ヶ月ぶりの本題です。

今回は複数による万引きの指導です。

・発覚まで

 普通は前回と同じように単独犯の事件として発覚します。
状況を確認して、本人または被害者(店)、友人などから複数であるという情報が入った場合が複数犯ということになります。
指導の途中で本人が友人の名前を挙げ複数犯であることがわかる場合が最も多いでしょう。
本人の行動範囲や品数などを考えて、複数であることが推定あるいは確実視されることもあります。

・発覚後の指導

 ① 単独犯の場合と変わりありませんがまずは事実関係の確認です。
  いつ、何がとられたのか、誰がとったのかなど、分かる限り確認して前もって整理します。

 ② 次に万引きした生徒の人数分だけ教員の数をそろえます。学年内で足らなければ他学年の先生にも応援を依頼します。
  そして、生徒一人につき教員一人で同時に面接し、万引きの内容を確認します。
  この面接の目的は事実関係の確認なので断罪などはせずに、確認後に「万引きは犯罪だからやめるように」という程度にしておきます。

 ③ 確認作業が終わったら生徒を待機させ、証言内容を突き合せて万引きの全容を確認します。生徒の控え室には監視の教員を配置します。

 ④ 証言を照合し、全容が整理できたら、父兄を呼び出します。(待機してもらっていることもあります。)

 ⑤ 父兄に(全員の父兄がそろうことが望ましいが夜勤などで来れない父兄がいる場合は翌日に呼び出すこともある)万引きの全容を話し、店への謝罪と万引き品の買取をするよう促す。その場に店の人がいれば早いが、父兄ともめる場合もあるし、基本的に学校内の事件ではないので、店の人は呼ばず、父兄と本人がそれぞれ店に謝罪することを促して終了となります。店の方には確認した内容について報告し、後日、個人で謝罪する予定の旨伝えます。


・指導の詳細

 ①について 複数の万引きは、長期間に渡る場合が多く、当初の取調べでもう一人、その子を調べるとまた一人、と増える場合が多いので、全容をつかむまでが大変です。店の方で万引きされた商品の一覧があると確認しやすいのですが、ない場合もあります。

 ②について 面接時の確認では、a)うそ、b)記憶力のなさ、c)認めるかどうかの3つが問題になります。

  a)自分が取ったものを○○君が取ったと言い張ったり、自分が首謀者で指図したのに○○君が勝手にやっと言い張ったりします。
  b)万引き品の確認の場合、直近の物は覚えているものですが、常習犯で記憶力がない生徒の場合、確認ができない場合があります。
  c)自分の万引きをあくまで認めない場合があります。証拠がないものは認めないというパターンです。

  とりあえずは事実関係の確認なので、「どこで」「誰が」「何を」万引きしたのかを確認してメモします。

 ③について 証言内容の突き合せはなかなか大変です。それぞれの生徒の証言がぴったり一致することはまずありません。本人の偏差値?などを考慮し、万引き事件の全容(ほとんどの場合万引きの常習)を推定、把握し、父兄への指導となります。

 ④について 関係する父兄が一斉に集まれば一回で終わりですが、夜勤で片親の家庭も多いので別途連絡の場合もあります。ひどい場合には親が逃げ回っていて呼び出しても来ない場合もあります。

 ⑤について とりあえず、全員の親が一緒に謝罪しに行けば指導する側としては成功です。各自謝罪に行ってもいいのですが、行かない親も出てくるので厄介です。その場合、父兄に店から自宅に連絡が行くことを伝えるぐらいしかできません。万引き品の買取については、学校で確認できたもののみ店に連絡し、買い取らない場合や未確認の品については警察に連絡するように促して終わりです。


次回は、指導のポイントです。


ブログの更新遅れててすいません。最近はtwitterの方に書き込みしています。保守系の政治ネタですがよかっらどうぞ。9月はじめぐらいから「主張」を書いています。
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