今回から主題の予定だった生徒指導に関してです。
まずは、子供たちの集団すなわちクラスについてです。

 子供たちの集団を放置するとどうなるかを考察してみます・・というか散々見てきましたので。
必ずしも子供に限りませんが、特別に目的もない集団を放置した場合、単なる権力闘争の場になるか烏合の衆と化すかのどちらかです。

 私は担任ではありませんでしたが、副担、授業などでクラスの変化をよく見ていました。
放置というと大げさですが、特に厳しい指導をしない場合には、緊張している4月を過ぎ、ゴールデンウィーク前後からクラスが騒然とし烏合の衆と化します。更に放置すると、夏休み明けの混乱以降授業がやりにくくなります。
 夏休みに仲良しグループをつくり、いじめも始まって力あるものがやりたい放題はじめます。こうなるとだんだん手がつけられなくなり、事件が次々起こって、崩壊への道となって行きます。授業崩壊、クラス崩壊の多くは5~6月と9~10月におきます。
 更に何もしなければ3学期は惰性で続くだけで、欠席が増え始めインフルエンザも流行って空席とざわつきの授業となります。

 一時が万事、授業を聞いていられない状態のクラスは、事件や欠席が多く、成績も下がってきます。荒れたクラスというのはイメージ的には「サル山」です。クラスというものは放置すれば荒れる。そして進化の過程を逆走し原始の世界に返ってゆくと考えれば分かりやすいでしょう。学校は、サルから人間への進化の過程といえるのかもしれません。

 昔は上下関係がしっかりあり、基本的には先生の言うことを聞きましたが、現在は、担任が権力闘争?に打ち勝ち威厳を示さないと生徒は言うことを聞きません。更に、昔は年長者や長男がリーダー役を買って出ましたが、現在ではリーダー忌避が多く、昔のような派手な派閥抗争もない代わりにまとまりもなく、強そうな誰かに便乗してるだけですね。

 それから、若い先生がよくやる勘違いは、自由なクラスというトンチンカンな方針です。子供たちは自由にしてもよくなることはありません。普通は2~3年で懲りて方針を変えますが、40過ぎても自由なクラスという場合には単なる言い訳でしょう。


参考

本来の集団のリーダーはこんな感じなのでしょう。

「チンパンジーはオスのリーダーを中心とした社会をつくります。オスには順位があります。リーダーには力の強さばかりでなく、群れをまとめる力も必要です。子どもたちはこの群れの中で社会性を学んで育ちます。」
http://material.miyazaki-c.ed.jp/ipa/doubutu/saru_moku/tinpanji/IPA-dou560.htm

先輩との関係も必要なのでは?

「若者たちが活躍する一方で、古参のカルンデ(44歳)も健在です。2008年の1月から3月にかけてNHKで放映された三つの番組では主役として登場し、その政治的影響力が紹介されました。」
http://mahale.web.infoseek.co.jp/chimpun/012/012_01.html

更に原始の世界に帰るとこんな感じです。

 『「猿山」は野生のサルには見られない行動形態で、動物園の中のチンパンジーやニホンザルなどサルの仲間がつくる「群れ」のことです。ただ、猿山といっても、チンパンジーのボスとニホンザルのボスでは行動がかなり違います。チンパンジーのボスは群れを守るために戦ったり、ケンカの仲裁をすることもありますし、みんなにエサが行き渡るよう配慮もできます。まさに、ボスであることを自覚した行動をとるんですが、ニホンザルのボスはエサを見つければ、自分が真っ先に食べちゃう。心配りなんてせず、ただ単に威張っている(笑)』
http://www.cairc.org/j/animaltale/tale5.html

次回は、荒れた学校で起こることについてです。