中学、高校のパソコン教育、インターネット事情などについての続きです。
今回は学校でのITインフラの以下の問題点のうち②と③です。

①システムを入れても教員が使いこなせない。
②生徒に対するパソコン教育が貧弱。
③パソコン室の管理とシステム管理者が校務分掌になっている。


②生徒に対するパソコン教育はどうなっているかというと、こちらもお寒い状況です。
 中学の技術の授業では、キーボードに慣れ、簡単な表や文章を作るのみで終了。

 高校の情報の授業も、ワード、エクセルの使い方を覚えて終わりといったところが多いようですが、それも中途半端で使い物にならず、大学新入生が最初にやる授業がワード、エクセル集中講座という大学は多いです。
結局、中学、高校のパソコン授業の後に大学や会社で学びなおす必要があるということです。
 まともな教科書(←失礼かな?)がないこともあってシステムやインターネット、サーバに関する授業はほとんどないようです。

③パソコン室とシステムの管理者が片手間になっている学校が私立、公立ともに多く、システムの仕様変更、トラブル対応がまったくできない場合が多いようです。分かりやすく言うと業者の言いなりにシステムを入れるだけということです。
 必要な仕様を決めたり、必要な機能を洗い出したりすることもほとんどできません。本来なら、学校にシステム管理の専任者が常駐し、教育委員会にもシステム管理部門を置き巡回する必要があると思いますが、学校内のシステム管理者の専任がいる学校すら少数です。

 更に、学校におけるシステム管理者が校務分掌になっている場合が多いようです。校務分掌とは教員が係り分担して校務を行うことですが、授業や部活、担任と同時に掛け持ちするのはかなり難しく、形だけの管理者にしかならない場合も多いようです。専門知識もなさそうだし。
 学校の求人を見ても理科の講師募集にシステム担当やITインフラ導入の知識が条件にが付いていることがあり、あきれるばかりです。

 現在の状況で中途半端な予算をつけても、でたらめなシステムを導入したりとか、教員が使いこなせない等の状況は変わらないでしょう。学校的発想しかないと、校内LANを入れても端末のパソコンが足らない、ない、古すぎで使い物ならないといったことになりかねません。

 他に、学校の倉庫には償却できない古いパソコンや周辺機器がごろごろ転がっています。学校のパソコンはそのほとんどは備品扱いで、償却期間は10年と決まっていて、捨てられない機器があふれています。基準や条例、法律を改定して、パソコンと周辺機器は償却3年、5年で処分と決めた方がいいと思います。


参考

『教科用図書(教科書)の整備も遅れている上、教員自身がよくわかっていなく、間違いを生徒に指摘される場面が、「普通教科に関する各教科」における「情報」で続いている。』

『この教科の目的が「パソコン操作の習得」に限定するものではないにも関わらず、教科書に従った授業展開が行われていないと見る向きもある。その影響か一例として、生徒においては教科名が情報ではなく「パソコン」と認識されることもある。』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1_%28%E6%95%99%E7%A7%91%29

IT系の失業者は山ほどいるので、講師なら免許なしでも授業ができるような制度が必要でしょう。授業中40人が使うパソコンを1人で監視するのもかなり困難なので、助手などにIT経験者をやとい、カリキュラムも作ってもらったほうがいいかもしれません。