いじめはどのぐらいあるのかといえば、毎年ありますという答えになります。
元々頻度は高くクラス編成に苦労するところでもあります。
中学の場合、1年から3年まで上がる間に全くないということは稀でしょう。

私の知るいじめのパターンは3つです。

① 典型的いじめられっこ
② 特定の生徒が特定の生徒をいじめる
③ 派閥抗争のはて

① 普通は、この手の話は小学校から申し送られていて、いじめられそうな生徒は最初から要注意となります。
いじめの対象になるのは、ほとんどの場合あまり頭のよくない生徒で、おとなしいタイプか「何やってるんだ!ボケ」といわれそうな行動が多い生徒かのどちらかです。いじめのきっかけは何を言っても怒らないのでからかいがエスカレートするとか、トンチンカンな行動をからかわれるとかです。
 発覚は、担任が見つけるか親の訴えかのどちらかがほとんどです。殴った、悪口言った、物を隠したなどの事件が発覚した場合、双方の父兄を呼んで指導をしますが、ほとんどの場合いじめられた本人が不潔、身だしなみがだらしないなどのいじめられそうな要因が多くしかも改善がほとんど見込めません。基本的にいじめる側を「腹を立てるな」、「意地悪するな」といった方針で指導します。子供たちも成長するので、継続的に指導すれば徐々に収まります。

② 小学校に多いパターンかな?
 事件が発覚すれば親を呼んで指導しますが、翌年のクラス替えで違うクラスにします。基本的には相性かな?とも思いますが、指導されるとターゲットを変えるといったいじめ癖がある生徒は時々います。

③ 最近はあまり多くはありません。
 影の親分?的な生徒が子分を使って気に入らない生徒をいじめるというパターンです。親分の脅しやミーハー的な便乗でクラス全体が1人をいじめる場合があります。最も厄介ないじめのパターンです。この辺は学年や担任で親分をつぶしておくのがコツでしょう。でも、昔と違っていい意味でも悪い意味でもクラスの中にリーダーがいない、まとまりのない状況になっているのでこのようなパターンは少ないと思います。

 マスコミに出た自殺の例等をみると、管理職や生徒指導部会、学年などの縦横のつながりや協力が得られず、担任1人に負担がかかって状況が改善されないまま放置されたといった状況のように思えます。万引きやいじめなど複数の生徒が関わった事件が発生した場合は、事情聴取や父兄への説明、説得などたくさんの教員が関わらないと指導ができません。日本の学校では伝統的に何でも担任任せにする傾向があって、何か起こると、すぐに「担任が悪い」「担任が何とかしろ」となることが多いようです。
 特に校長、教頭(副校長)等の管理職にこの傾向が強く、状況把握や生徒指導が苦手な先生のクラスは、学年主任や副担などがこまめに状況を把握しバックアップして行かないといじめに限らず事件が大きくなる傾向があるようです。
 担任にも個人差があり、全員が厳しい生徒指導ができるわけではありません。その辺は、学年主任がよく見てフォローすればいいのですが、「担任が」を連発する管理職や学年主任は、自分自身が生徒指導ができずに逃げ回っているだけの場合が多いようです。生徒指導の問題の多くは、学校の中での担任に解決できるかできないかの切りわけができずに何でも担任任せにした結果によるものといえるでしょう。